知恵の和ノート

2024/07/22

せっかちな経営者は社員との間の沈黙を嫌がる(第542話)

カテゴリー :コミュニケーション

速さを求めがちな経営者は、質問に対するレスポンスの悪い社員を低めに評価しがち。ただし、人手不足が続く中では、相手の声に耳を傾ける姿勢が問われる。

せっかちな経営者は社員との間の沈黙を嫌がる

頭の回転が速い」と聞くと、どのようなイメージが浮かんでくるでしょうか?

質問に対してすぐに回答が返ってくると、「この人、頭の回転が速いかも」と感じる人は多いかと思います。逆に、質問しても、なかなか回答が出ないと、「この人、大丈夫かなぁ」と感じるかもしれませんね。


この点、ChatGPTなどAIに質問すると、すぐに答えが返ってきます。過去のデータを基に質問に応じた答えを出すのはAIが得意とするところです。

けれども、いかにスピードは速いとは言え、ChatGPTが出した答えに対して、「これ、本当かなぁ」と思われたご経験は皆さんもあるではないでしょうか。

早押しクイズではないので、回答が早く出ることは必ずしも良いとは限りません。中には安易に思いついた答えよりも、じっくり考えて得られた答えの方が良かったりします。


ただし、基本的に経営者はせっかち。このため、質問したことに対して、すぐに回答が返ってこないとイラついたりします。

それゆえ、社員に対する評価も「すぐに回答する人>じっくり考えてから回答する人」となる傾向があります。


この点、「何も考えていないから回答が遅い」のか、「じっくり考えているから回答が遅い」のかを見極めるのは簡単ではありません。

しかしながら、沈黙が続くのを嫌がって

あれやこれやと余計なことを言う
 ↓
相手はじっくり考えているのにかえって混乱させる
 ↓
さらに回答まで時間がかかる
 ↓
また、あれやこれやと言ってしまう
 ↓

というスパイラルに陥っているケースも多いです。


人と人との相性で言えば、スピード感はかなり、大きな要素を占めます。

つまり、速さを求めがちな経営者は質問に対するレスポンスの悪い社員を

頭の回転が遅い
 ↓
仕事ができない

と判断しがちです。


ただ、昨今の人手不足を勘案すると、質問に対して、すぐに回答がないことをもって「あいつは仕事ができない」と結論づけるのはもったいないです。

何か知らないことを調べたいのであれば、今だとAIを活用した方がかえってストレスがありません。一方で、相手の意見や考え方を聞きたいのであれば、スピードではなく、掘り下げた中味に重きを置くのがベター。


経営者と社員とではパワーバランスが異なるので、質問する側にその意図はなくても、相手は「どのように回答したら、社長は満足するのだろう」とこちらが想像している以上にいろんなことを考えています。

特に1on1 など経営者と社員が1対1で話をする時は、耳を傾けるという意味での傾聴を心掛けましょう


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