知恵の和ノート

2024/10/08

「段取り八分、仕事二分」はもう古い教えなのか?(第553話)

カテゴリー :社員教育

いろいろと頭でっかちに考えて実際の行動が止まりがちな人には「段取り八分、仕事二分」ではなく、「段取り五分、仕事三分、見直し二分」と伝えて行動を促す。

「段取り八分、仕事二分」はもう古い

段取り八分、仕事二分

仕事における事前準備の大切さを表す格言としてよく使われます。


たしかに、事前準備をしっかり行っておくことで、実際の仕事は楽になります。

けれども、現実問題として

事前準備段階では気がつかなかったことが途中で発生する

事前準備にばかり時間を取られて、なかなか手足を動かす実際の行動に移れない

ということが発生します。


前者のような想定外の事態に対応するには

プランA〜Cまで3つぐらいの対策を予め作っておく
 ↓
プランAで上手くいかなければプランBを実行する
 ↓
プランBでも上手くいかなければプランCを実行する

といった対策が有効です。


しかしながら、この対策が有効なのは「段取り八分」と言われる準備段階と共に、実際の「仕事二分」の段階になった時に行動を止めないという姿勢が続いているケースです。

つまり、先の例の続きとして

プランCでも上手くいかない時はプランDやプランEも立てて行動し続ける

ことがポイントです。


この点、「事前準備にばかり時間を取られて、なかなか手足を動かす実際の行動に移れないタイプの人は

「こういうことが起きたらどうしよう」

「あんなことになったら困るなぁ」

という想像が膨らむので、「プランCでもダメな場合は行き詰まってしまう」傾向にあります。


言葉は独り歩きします。

このため、「段取り八分、仕事二分」と伝えることで上手くいく人もいれば、その言葉だけではなかなか思ったような成果が出ない人もいます。

特に、いろいろと頭でっかちに考えて実際の行動が止まりがちな人には、かえって逆効果になることも感じています。

そのような人には

段取り五分、仕事三分、見直し二分

として、段取り部分を相対的に減らして、実際にやりながら軌道修正するぐらいの方が上手くいきます。


人は本当にやりたいことであれば、たとえ壁にぶつかっても、他人の言動に関係なく何とかしようとして自ら知恵を絞ります。

しかしながら、社員など会社から指示された仕事をやる場合は、壁にぶつかると思考停止&行動停止になることが多いです。


社員も共感して自ら積極的に取り組む仕事をやってもらうのは理想。

ただ、必ずしもそうでない場合は「伝え方を変えることで行動変容を促す」ことを意識して取り組みましょう。

ちなみに、このような取り組みも正解はすぐに出るとは限らないので

「段取り五分、仕事三分、見直し二分」

です。
 

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