知恵の和ノート
人手不足を「人」で解決しない!少人数経営の生存戦略(第565話)
社員は辞める時は辞める。だからこそ、人に頼らず仕組みに頼る経営へ転換を。未経験者でも回る業務フローが、少人数経営の未来を支える鍵となる。
人手不足の問題を人で解決しない。
「人手が足りない」というご相談を受けた際、よくお伝えする言葉です。
社員が急に退職願を出してきて、「これでは仕事が回らなくなる」と慌てたご経験はあるでしょうか?
また、人手不足に関しては「良い人材を採用すれば解決できる」と考えておられる経営者も少なくありません。
しかしながら、会社がどんなに社員の待遇を良くしていたとしても、社員は辞める時はあっさりと会社を辞めます。会社の成長と社員の成長がリンクするのが理想ですが、社員価値観が多様化している中、会社の思いと社員の考え方は必ずしも一致しません。
会社の業績が悪いので辞めるケースは、ある意味仕方ありません。けれども、会社の業績が良くて、待遇面に特段の不満がなくても、会社がコントロールできない事情で社員が会社を辞めることを回避することはできません。
・社員が転職する
・社員が独立する
・社員が病気になる
・社員が結婚する
・社員が引っ越す etc.
特に少人数で運営している会社の場合、仕事が属人的になっているケースが多いので、人手が足りないことが業績にも大きく影響することがあります。
そして、このようなケースで
- 会社の仕事として「何を」「どうする」という業務フローが決まっていない
と、人手不足に起因する社内の停滞が長引きます。
また、昨今では日本全体で人手不足の状況が続いているため、会社の業務フローが決まっているだけでは足りず
- 未経験者が短期間に会社の業務をできるようにするための仕掛けがある
ことが不可欠になっています。
そして、これら
・会社の業務フローが決まっている
・未経験者が会社の業務をできるようにするための仕掛けがある
会社であっても、人材不足で頭を悩ましているのに、これらが整っていない会社ほど、
「誰か良い人がいない?」
といったように、人手不足を新たな人の採用で解決しようとする傾向にあります。
会社の業績が好調でも、会社の掲げる理念が魅力的であっても、社員は辞める時は会社を辞める。経営者にとっては不都合かもしれませんが、それが避けては通れない事実です。
この不都合な事実を前に、人手不足をまだ実力も素性も良く分からない人に入社してもらうことで対応しようとするのは確率論的にも、お勧めできません。
「そうは言っても、新たに業務フローを作ったり、未経験者が学べるような仕掛けをやったりしている余裕はない」と感じておられるなら、
- 次に採用する人を育成する過程で、業務フロー等を整える
ことを意識しましょう。
この場合、たとえ、新たに採用した人がまた途中で退職しても、それまでの間に整備したことが会社の資産となって次に活かせます。
あるクライアントさんでは粗利の把握に関する業務フローが決まっていなかったのですが、私もサポートさせていただきながら、「この通りやっていけば、案件毎の粗利を毎月把握できる」という業務フローを作り上げました。
たまたま、その仕事を主に担当されていた方がご家庭の事情で退職されることになったのですが、一から業務フローを作り上げて問題点も明らかにしたので、担当社員が代わっても、粗利の把握は継続的にできるメドが立っています。
「集まり散じて人は変われど、仰ぐは同じき理想の光」という校歌もありますが、人手不足が続く中では「集まり散じて人は変われど、仰ぐは同じき理想の仕事」を目指しましょう。
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