知恵の和ノート
身の丈は小さくてもなかなか手強い会社の特徴とは?(第534話)
「利益の見える化」では過去の痛い経験を活かしつつ、「仕事の見える化」や「人の見える化」では過去の成功や失敗にこだわらずに柔軟に対応する。
ヒーズ株式会社の岩井徹朗です。
人の特徴として「忘れる」があります。
嫌な思いや苦しい思いをしても、時間が経つと、忘れてしまい、同じような失敗を繰り返すことが少なくありません。
「失敗を引きずらない」という点では良いのですが、「失敗を活かしていない」という点ではすごくもったいないです。
一方、人は「忘れられない」という特徴も持っています。
特に過去の成功体験はなかなか忘れられません。そして、業績が伸び悩んでいる経営者に共通するのは「以前はこれで上手くいった」とか、「俺が頑張ればなんとかなった」といった成功体験が忘れられずに殻を破れないことです。
この場合、「過去の成功に引きずられている」と言えるかもしれません。
100年以上事業を続けるには、当然のことですが、その間に経営者の交代があります。
その際
- 過去の失敗を未来への資産として活かすか、過去と同じ失敗を繰り返して未来への負債とするか
- 過去の成功を未来への資産として活かすか、過去の成功にこだわって未来への負債とするか
が大きな分かれ道となります。
カリスマ経営者と呼ばれる方も第三者から見れば、「すごいなぁ」と感じるところと「あれはちょっと」と感じるところがあります。
人が代われば、たとえ親子であっても、考え方は違います。また、会社を取り巻く環境が大きく変わる中で、先代社長の時には上手くいった施策が今では時代にそぐわなくなっていることもあります。
「利益の見える化」「仕事の見える化」「人の見える化」の観点から見ると、以下の通りです。
- 利益の見える化:基本的には大きく変わっていない
- 仕事の見える化:技術の進歩により大きく変わりつつある
- 人の見える化:価値観が変わってかなり複雑になっている
これらを踏まえると
- 利益の見える化:過去の失敗事例は必ず継承する
- 仕事の見える化:過去の失敗事例に固執しない
- 人の見える化:過去の成功事例に固執しない
ことがポイントです。
以前業歴100年以上の長寿企業のお話を伺って実感したのは
「利益の見える化」では過去の痛い経験を活かしつつ、「仕事の見える化」や「人の見える化」では過去の成功や失敗にこだわらずに柔軟に対応する
というしたたかさがあることです。
100年以上事業を続けていく中では、赤字になった年もあれば、税金が払えなくて分割納税したことや、事務所家賃をしばらく滞納したこともあったそうです。
100年単位で考えると、51勝49敗なら事業を続けていけます。
また、仮に30勝70敗の成績でも、その負けが小さく、自社でなんとかコントロールできるものであれば会社経営としては成功です。
会社経営としてよく取り上げられるのは成功事例。時々取り上げられるのが経営破綻に至った失敗事例。
その中間にあたり、なんとかかんとか凌いでいる会社の事例が大きく取り上げられることはあまりありません。
けれども、ちょっと深掘りしてみると、あまりメディア等では出てこないけれど、参考になる会社はたくさんあるのではないでしょうか。
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