知恵の和ノート

2025/02/04

「長いだけの会議」を終わらせる!論点整理とファシリテーションの極意(第570話)

カテゴリー :コミュニケーション

議論が噛み合わないダラダラ会議を改善するには、「時系列的に整理する」「事実と解釈(意見)を分ける」「階層の違う問題は順番に行う」を意識して、論点を整理しよう。

フジテレビ記者会見に学ぶ議論の整理法

「ウチの会議もかなり長いんですよ」

先週行われたフジテレビの記者会見の話題になった際、クライアントさんから出た言葉。

 

もちろん記者会見と会議とは違いますが、会議が長引く要因の一つに議論がかみ合わないということがあります。その解決方法としては、論点を絞って整理するのが有効です。

 

先日の記者会見で言えば

・社員の関与があったのかどうか

・事件が起きた後の会社の対応は適切だったのか

・事件が報道されてからの会社の対応は適切だったのか

といった論点があります。

 

そして、これらの対応を踏まえて、

・会社のガバナンスの問題

・会社の組織風土の問題

も取り上げられていました。

 

これらを一緒くたにして議論しようとすると、訳が分からなくなり、結局時間をかけて質疑応答した割には、単なるガス抜きで終わってしまう恐れもあります。

このような場合、

  1. 時系列的に整理する
  2. 事実と解釈(意見)を分ける
  3. 階層の違う問題は順番に行う

と議論がよりスムーズになります。

 

例えば、先の記者会見の事例で言えば、質疑応答を行う際にも、以下のような前提で進めていけば、同じような質問の繰り返しは避けられたかもしれません。

 

1.「時系列的に整理する

・事件当日までのこと

・事件が起きてから報道される前のこと

・報道されてからのこと

 

2.「事実と解釈(意見)を分ける

・事実として分かっていて、開示できるもの

・事実として分かっているが、開示できないもの

・事実として分かっていないこと(事実として分かっていないという事実)

・事実ではなく、事実に基づく解釈(意見)

 

3.「階層の違う問題は順番に行う

・先に時系列に沿った事実関係を明らかにする

・その後で、明らかになったことをベースにガバナンスや組織風土の問題に移る

 

フジテレビの記者会見は第1回目の会見での失敗を経た上だったので、前述のような前提を設けることは難しかった可能性があります。

一方、会社の会議の場合。

事実関係が曖昧なままで参加者が好き勝手に意見を言うスタイルにすると、

・同じような話題が何回も繰り返されて結論が出ない

・細かいやり方の違いが原因で、せっかくの施策が頓挫する

・最終的には声の大きい人の意見に集約される

といった懸念があります。

 

会議には必ずやる目的があります。そして、真剣に議論することと、だらだらと時間ばかりかけて話し合うことは違います。また、いろいろな意見が飛び交うことと、議論が噛み合わないことでは、会議の質が異なります。

もし、皆様の会社で「ウチの会議は時間が長いばかりで実りが少ない」と感じておられたら、会議の進め方の前提条件をしっかり定めましょう

 

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