知恵の和ノート
「言われたことしかやらない」というのは贅沢な不満 (第544話)
「これぐらいはやってくれるだろう」と思うのは自由だが、その「これぐらい」について「何を」「いつ」「どうする」が曖昧なままだと絶対に伝わらない。
「ウチの社員は言われたことしからやらない」
経営者がよく口にされるご不満の一つです。
クライアントさんが、このようにおっしゃったら、私はたいてい
「言われたことをちゃんとやってくれるなら、すごいことじゃないですか」
とツッコミます。
例えば、見積書を作るシステムであれば
・相手方の名前
・想定されている内容
・その内容の金額
など必要事項を入力すれば、見積書が作成されます。
つまり、システムに関して言えば「言われたことしかやらない」のが普通です。
見積書を出して先方のOKが得られたら、
・必要な部材を発注する
・協力してもらう外注先に連絡する
・請求書を作成する
といったプロセスが発生します。
そして、システムの場合なら、見積書作成に必要な情報を入力した途端、システムが勝手に必要な部材を発注することはありません。
しかしながら、これが社員など、対象がシステムから人に変わると、
「なんで部材を手配していないの?」
「それぐらい気を回していれば分かるだろう??」
といったことが起こります。
もちろん、ある程度経験を積んで先がよめる人は見積書を作成した段階で
・必要な部材がいつ頃なら手に入るか確認しておく
・外注先の予定を仮押さえしておく
・請求書がすぐに出せるよう準備をしておく
かもしれません。
しかしながら、これらの動きを相手に期待するのは期待のし過ぎです。
言われたことをちゃんとやれる社員がいれば、仕事をどうやって回していくかについて、一定のメドが立ちます。
こちらが言っていないことを「これぐらいはやってくれるだろう」と思うのは自由です。
けれども、その「これぐらい」について
・何を
・いつ
・どうする
が曖昧なままだと絶対に伝わりません。
私は最初に部下を持ったのが海外だったこともあり、「こちらが言ったことを言った通りにやってもらうのが、いかに難しいか」を痛感しました。
過大な期待は禁物ですが、だからと言って「彼(彼女)の頼んでもどうせ無理だから」と考えて、何でも自分でやろうとすると、やがて自分の仕事が回らなくなります。
最初は言った通りにやってくれないので、ストレスが溜まるかもしれません。
けれども、相手に対するジャッジをせずに
「どうやったら言った通りにやってくれるか」
を考えて根気強く仕掛けていくと、やがて、言った通りのことはなんとかやってくれるようになります。
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