知恵の和ノート

2024/08/06

「言われたことしかやらない」というのは贅沢な不満 (第544話)

カテゴリー :社員教育

「これぐらいはやってくれるだろう」と思うのは自由だが、その「これぐらい」について「何を」「いつ」「どうする」が曖昧なままだと絶対に伝わらない。

「言われたことしかやらない」というのは贅沢な不満

ウチの社員は言われたことしからやらない

経営者がよく口にされるご不満の一つです。


クライアントさんが、このようにおっしゃったら、私はたいてい

言われたことをちゃんとやってくれるなら、すごいことじゃないですか」

とツッコミます。


例えば、見積書を作るシステムであれば

・相手方の名前

・想定されている内容

・その内容の金額

など必要事項を入力すれば、見積書が作成されます。

つまり、システムに関して言えば「言われたことしかやらない」のが普通です。


見積書を出して先方のOKが得られたら、

・必要な部材を発注する

・協力してもらう外注先に連絡する

・請求書を作成する

といったプロセスが発生します。

そして、システムの場合なら、見積書作成に必要な情報を入力した途端、システムが勝手に必要な部材を発注することはありません。


しかしながら、これが社員など、対象がシステムから人に変わると、

「なんで部材を手配していないの?」

「それぐらい気を回していれば分かるだろう??」

といったことが起こります。


もちろん、ある程度経験を積んで先がよめる人は見積書を作成した段階で

・必要な部材がいつ頃なら手に入るか確認しておく

・外注先の予定を仮押さえしておく

・請求書がすぐに出せるよう準備をしておく

かもしれません。

しかしながら、これらの動きを相手に期待するのは期待のし過ぎです。

言われたことをちゃんとやれる社員がいれば、仕事をどうやって回していくかについて、一定のメドが立ちます。


こちらが言っていないことを「これぐらいはやってくれるだろう」と思うのは自由です。

けれども、その「これぐらい」について

・何を

・いつ

・どうする

が曖昧なままだと絶対に伝わりません


私は最初に部下を持ったのが海外だったこともあり、「こちらが言ったことを言った通りにやってもらうのが、いかに難しいか」を痛感しました。

過大な期待は禁物ですが、だからと言って「彼(彼女)の頼んでもどうせ無理だから」と考えて、何でも自分でやろうとすると、やがて自分の仕事が回らなくなります。


最初は言った通りにやってくれないので、ストレスが溜まるかもしれません。

けれども、相手に対するジャッジをせずに

どうやったら言った通りにやってくれるか

を考えて根気強く仕掛けていくと、やがて、言った通りのことはなんとかやってくれるようになります。

 

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