知恵の和ノート

2025/02/25

「結局、何が言いたいの?」と言われないための話し方改革(第573話)

カテゴリー :コミュニケーション

社員との会話で主旨があまり伝わっていないと感じているなら、「話すテーマを一つに絞る」「話す順番や構成を予め決めておく」「話をする相手のレベルに合わせて話す内容を変える」といった工夫を重ねよう。

伝わらないのは話し方のせい? 社員の理解度を高める伝え方のコツ

話がよく分からない人の特徴の一つに「話している内容があちこちに飛ぶ」ということがあります。

売上の話をしていたと思ったら、途中から社員の話になり、また売上の話題に戻ったらと思ったら、先ほどとは別の事業のことだったり。

おそらく本人の中では話が繋がっているかと思います。けれども、聞いている方は「結局何が言いたいのかがよく分からん」ということにもなります。

 

私がクライアントさんとセッションしている時は、話の途中で「社長、いったん社員の話は止めて、後にしましょう」と話題を元に戻すことがあります。

しかしながら、これが「社長−社員」「上司−部下」の関係だと、脱線した話を途中でさえぎることは難しいかもしれません。その結果、話し手は「一生懸命に話した割にはいま一つ主旨が伝わっていない」と不満を抱き、聞き手は「我慢して聞き続けた割には内容がなかった」と不平を言う事態を招きます。

 

また、経営者の中には分かりやすく伝えようと勉強されて、途中で例え話を交えて話をされる方もおられます。

「これをサッカーで言えば、営業はF W(フォワード)で、事務方はB K(バックス)で・・・」みたいな感じです。

より身近な例を使って話をすることで、難しい話もより伝わりやすくなる効果があります。しかしながら、この場合も、相手のメタ認知能力が低くて、サッカーの話と仕事の話を結びつけて考えることができないと、「なぜ、サッカーの話題になるのか?」「サッカーなんてよく知らんし??」となりかねません。

 

したがって、社員とは時間をかけて、いろいろと話をしているが、こちらの主旨があまり伝わっていないと感じている時は

  • 話すテーマを一つに絞る
  • 話す順番や構成を予め決めておく
  • 話をする相手のレベルに合わせて話す内容を変える

といった工夫が必要です。

 

話が飛ぶと理解しにくいのは、学校の授業でもよくあることです。

ある公立高校の先生によると、一般的な世界史の教科書がわかりにくいと言われている理は「地域や年代が目まぐるしく変わる」から。実際、高校の世界史では、古代史で、中東を扱っていたと思ったら、次はヨーロッパ、インド、そして中国へと目まぐるしく地域が変わっていきます。

一方、前述の先生が執筆された「一度読んだら絶対に忘れない世界史の教科書」では、最初にヨーロッパの歴史を古代から中世まで一気に記載し、次は中東、その次はインドを、といったように地域単位で、まとまった歴史の流れが書かれているので、高校の教科書に比べると、断然理解しやすいです。

 

会社経営も複雑な要素がいろいろと重なっているので、売上だけを伸ばせ良いとか、管理体制さえしっかりしていればなんとかなるというものではありません。このため、特に経営者の話はあっちこっちと話題が飛ぶのは、ある意味致し方ないことでもあります。

けれども、会社を持続的に成長させていくには、社員の成長は不可欠。そして、社員の自己成長を促すには、「何を」「どう伝えるか」について、工夫を重ねていく必要があります。

 

今回の記事は途中で世界史の話題を入れましたが、私のお伝えしたかった主旨はうまく伝わったでしょうか?

ご感想等お聞かせいただければ嬉しく思います。
 

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