知恵の和ノート
経営者になったら「なんでできないの?」は禁句(第538話)
仕事に対する基本姿勢を身につけるには最初が肝心。仕事の標準を徹底させるには他者任せにせず、経営者が率先垂範して粘り強く取り組むべし。
脱サラして経営者へ。
クライアントさんに共通する事項を調べてみると、最初から起業された方ではなく、
企業に勤める
↓
自ら起業して経営者となる、もしくは、家業を引継いで経営者となる
パターンが多いです。
そして、特に大手企業で勤めたご経験のある方が経営者になってご苦労されるのは「社員のマネジメント」の問題です。
前職では問題なくできたことができないことも多いので、「なんでできないの?」とびっくりされることがあります。
例えば、期限。
新入社員の時から
・仕事には必ず期限がある
・期限を守らなければならない
・期限を守れそうにない場合は早めに上司と相談する
といったことをしつこく教わっていれば「期限を守ることがデフォルト(標準)」になります。
しかしながら、後継者として入社した会社で、期限を過ぎても社員からは何の報告もないことがあります。
また、自ら起業した会社でも、前述のようなことを最初に徹底しておかないと、期限に関する認識の違いでお客様に迷惑をかける事態を招きかねません。
仕事に必要な知識や技術は時間をかければ、身につけることができます。一方、仕事に対する基本姿勢の部分は、いったん悪い癖がついてしまうと、修正するには時間がかかります。
家業を引継いで経営者になった場合は先代社長との関係もあるので、一気にやり方を変えるのは難しいかもしれません。しかしながら、時代に合わなくなった慣習やお客様にも迷惑をかけるような仕事振りは少しずつでも改めていかなければなりません。
一方、自ら起業して経営者になった場合。
売上を上げるための営業や商品を作るための仕事で忙しい場合に、「仕事に対する基本姿勢まで伝えている時間的な余裕がない」こともあります。
その際、社員が他の会社で勤めた経験がない場合だと、身近な人の影響を受け、悪い癖がつく恐れがあります。実際、あるクライアントさんでは、新入社員が直属の上司の真似をして会社への報告を怠りがちになっていました。
立派な経営理念を掲げても、それが普段の仕事と結びついていないと意味がありません。また、前職では1回注意すればすぐに直っても、何回も注意しないとなかなか直らないことも少なくありません。
企業に勤めて上司として部下と接する場合と、経営者として社員と接する場合の違いは、
前者の場合は最終的な責任を自分が負うとは限らない
のに対して、
後者の場合は最終的な責任は必ず自分が負うことになる
こと。
つまり、社員に対して「なんでできないの?」と思っても、その問題を解決する責務を負うのは経営者であるということです。
サラリーマンとして仕事をする場合と経営者として仕事をする場合とではマインドを変える必要があるとよく言われます。
そのマインドセットの一つが社員に対する捉え方の違いです。
デフォルト(標準)を自ら設定しないと状況は変わりません。
もし、そのやり方や手順が分からないという場合は弊社までお問い合わせください。
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