知恵の和ノート

2025/03/11

経営資源不足より怖い!無自覚にチャンスを逃す思考パターンとその対策(第575話)

カテゴリー :経営者

チャンスを逃す本当の理由は、経営資源の不足ではなく「価値判断の無自覚」にある。

無自覚にチャンスを逃す思考パターンとその対策

チャンスをつかむ人とチャンスを逃す人の違いは?

このような記事を目にすることがあります。しかし、経営者として日々判断を下している立場であれば、目の前に明確なチャンスがあるのに全く気づかず、ぼーっとして見過ごすというケースはそれほど多くはないでしょう。

一方で、新しい仕事の話があった際、「お金が足りない」「人がいない」「時間がない」といった経営資源の不足によってチャンスを見送ることは珍しくありません。

 

確かに、こうした状況では以下のような対応策が考えられます。

  • お金が足りない → 資金調達を行う
  • 人がいない → 外部リソースを活用する
  • 時間がない → 他の業務を調整し、時間を確保する

本当に必要な仕事であれば、工夫次第でチャンスを活かす道はあるのです。しかしながら、実際にはさまざまな要因が邪魔をし、最後の一歩を踏み出せずにチャンスを逃してしまうこともあります。このような経営資源の不足によるチャンスの逸失は、本人も自覚しやすいため、改善策を講じやすいのが特徴です。

 

無自覚にチャンスを逃すケース

しかし、より厄介なのは、「合理的な判断」をしているつもりでも、結果としてチャンスを逃してしまっているケースです。

例えば、以下のような決断をしたことはないでしょうか?

 

1.採算ギリギリの案件を受注する

次につながると期待して引き受けたが、追加の仕様変更が重なり、単独の赤字取引で終わってしまった。

 

2.恩義を感じて無理をする

過去にお世話になった相手のために、利益度外視で仕事を請け負ったが、「甘い」と見られ、逆に不利な立場になった。

 

3.業務範囲を明確に線引きする

「うちでできるのはここまで」と割り切ったが、「もっと売上を増やせる機会だったのに、もったいない」と思われてしまった。

 

これらの判断は、すべて本人としては合理的なものです。しかし、結果としてチャンスを活かせなかった場合、「なぜ逃したのか?」という振り返りが難しくなります。なぜなら、それぞれの決断には一貫した価値判断の基準が隠れているからです。

 

価値判断の基準がチャンスの取捨選択を決める

人は無意識のうちに、ある一定の傾向を持って物事を判断しています。例えば、

  • 目先の採算よりも将来の利益を重視する → 先行投資に積極的
  • 困っている人を助ける → 信頼関係を大切にする
  • できる範囲の仕事をきっちりやる → 失敗リスクを避ける

 

これらは一見すると素晴らしい価値観ですが、逆の視点で見ると、

  • 不確実な未来に期待しすぎる傾向がある
  • 無駄にエネルギーを使ってしまうことがある
  • 自己制限を設け、成長の機会を逃すことがある

といったリスクも含んでいるのです。

 

つまり、知らず知らずのうちに「チャンスを逃す思考の癖」が形成されている可能性があります。

 

価値判断の基準を言語化する重要性

こうした無自覚の判断基準を持っている場合、その対策として有効なのが「価値判断の基準を言語化すること」です。

たとえば、

  • 将来に期待しすぎる場合 → 現在の状況から目を背けていないかをチェックする
  • やさしさが仇となる場合 → 感情的な判断ではなく、ビジネス的な視点を持つ
  • 自己制限をしてしまう場合 → 「なぜこの範囲にとどまるのか?」を問い直す

このように、普段無意識に行っている判断の背景にある感情や思考のパターンを明確にすることで、自らを客観的に見直すことができます。

 

価値判断の基準を見直すことでチャンスを活かす

ビジネスの世界では、すべてのチャンスを完璧に活かすことは不可能です。しかし、「自分は無自覚にチャンスを逃していないか?」と問い直し、自分の価値判断基準を意識することで、

  • より幅広い視野を持つ
  • 状況に応じた柔軟な判断ができる
  • チャンスを活かす確率を高める

といった変化が生まれます。

 

例えば、過去に「この業務はうちには合わない」と判断して断った案件が、視点を変えれば新しいビジネスチャンスになり得ることもあります。あるいは、「予算がないからできない」と諦めていたプロジェクトが、クラウドファンディングやパートナー企業との提携によって実現可能になるかもしれません。

「もしかして自分は潜在的にチャンスを逃しているかもしれない」と感じたなら、自分の価値判断の基準を言語化することにぜひ挑戦してみましょう。チャンスを完全に逃さないことはできなくても、その可能性を大きく減らすことはできます。


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