知恵の和ノート
仕事への批判は関心の矢印の向き次第でビジネスチャンスになる(第531話)
関心の矢印の向きを自分ではなく、お客様に向ける社員が増えたら、仕事に対する批判や指摘はトラブルのネタではなく、ビジネスチャンスを広げるタネになる。
ヒーズ株式会社の岩井徹朗です。
GWはいかがお過ごしだったでしょうか。
終わってしまうとあっという間でしたが、私はGW中にNHKの「プロフェッショナル」を見ました。取材として取り上げられたのは漫画「名探偵コナン」の原作者として有名な青山剛昌先生でした。
漫画の中で使われるトリックや小道具について、ご自身で実際に検証しているというのも驚きでしたが、私が一番印象に残ったのは編集者とのやり取りのシーン。
ネームと呼ばれる漫画の下書きが出来た時点で編集者にも読んでもらい、意見を聞くのですが、編集者から「このシーンはもっとこうした方が良いかも」という意見を躊躇することもなく、すぐに取り入れておられたことにびっくりしました。
青山先生は30年以上も続く人気漫画の原作者であり、いわば大御所。番組のタイトルにもふさわしいプロフェッショナルです。
ネームを描くシーンも放送されていましたが、そのネームはプロ中のプロが頭を捻りに捻って、「これならいけそうだ!」と出した設計図。言ってみれば、プロが作った設計図に漫画を描かない素人がイチャモンをつけたとも解釈できます。
しかしながら、青山先生は「なるほど、そうかも!!」という感じで、編集者から指摘を受けたシーンのネームを描き直されたのです。
仕事において自分なりに一生懸命に考えて「これなら大丈夫だ」と提出したものに、他人から「ここはどうなんでしょうか?」と指摘されると、怒り出す人もいます。
このような人は「自分のやった仕事に対する非難=自分に対する非難」と捉えているために、他人から指摘を受けると「自分が低い評価を受けた」として反論することが多いです。
しかしながら、仕事はお客様に価値を提供してお客様が喜んでくれることで、初めて意味を持ちます。
「ここはお客様には分かりづらい」という指摘を受けたら、より分かりやすい表現に変えるのが本筋です。
それは、「自分は社長だから」とか、「(意見を言った相手が)経験が浅いから」といったことは、まったく関係ありません。
仕事のプロであるなら、あくまで「仕事を通して提供する価値をより大きくするにはどうしたら良いか」というのが判断基準になります。
先の青山先生に話を戻すと、「読者がより面白く感じるにはどうするか」という観点で常に漫画を描いておられます。
それゆえ、良いアイデアがあれば、自分のアイデアに固執せず、他人の意見も積極的に取り込んでおられるのではないでしょうか。
私はそこに名探偵コナンが長年に渡って読者から愛される理由の一端を見た気がします。
関心の矢印が常に自分に向いていると、他人のアドバイスも、自分に対する批判と感じることがあります。
しかしながら、仕事において優先すべきは、その仕事を届ける相手先の問題解決です。
関心の矢印を自分ではなく、仕事を提供するお客様に向けることのできる社員が増えたら、会社の業績は自ずと良くなります。
社員自ら与えられた目標を自らの目的とリンクさせ、自律的に行動できたら、会社も社員も、そして会社のお客様も、より大きな価値を手にすることができるのではないでしょうか。
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