知恵の和ノート
お金で解決できる問題はまずお金で解決するのが早道を念頭に座組みをつくる(第528話)
会社経営は最終的には「いかに人材を育てられるか」に帰結するが、業績が安定するまでは「人が育たなくても、仕事とお金が回る座組みづくり」に集中する。
ヒーズ株式会社の岩井徹朗です。
会社がアクセルを踏んで事業を展開しようとする際、ブレーキとなる要因には
- お金の問題
- 商品(サービス)の問題
- 人の問題
があります。
資金繰りが厳しいと、思い切った手が打てません。
銀行からお金を借りるという方法もありますが、銀行の基本的なスタンスは「晴れの日には傘を貸すが、雨の日には傘を取り上げる」。
業績が良い時には前向きに融資に応じてれますが、業績が悪い時はなんやかんやと理由をつけてなかなかお金を貸してくれません。
担保に余力があったり、信用保証協会が保証してくたりする場合は別として、まとまったお金を調達するには「将来に向けたお金の流れ(キャッシュ・フロー)」に関して、しっかりした計画を作ることが求められます。
その場合、鍵となるのが商品(サービス)の問題。
売れる商品があれば良いのですが
・主力商品の売上が伸び悩んでいる
・新しい商品がどのくらい売れるか分からない
といった状況だと資金繰りの目処が立ちません。
また、一定の売上を確保している商品があっても
・利益率が低いので、固定費をカバーできない
状況だと、お金を借りても返せない可能性があります。
そして、人の問題。
売れている商品や粗利の確保できる商品があっても
・作れる社員が限られている
・営業する社員がいない
・社員のモチベーションが低い
といった理由で、思い切ってアクセルが踏めない経営者もおられるではないでしょうか。
このように3つの要因もそれぞれ密接に関連しています。
そして、当面の資金繰りに問題がない場合も
・将来の収益の柱となる商品がまだ育っていない
・将来の会社の担い手となる社員がまだ育っていない
ために、アクセルを踏みたくてもついブレーキがかかってしまうケースがあります。
この場合、商品と社員を同時に育てる余力がないなら
売れる商品を育てる
↓
社員を育てる
という順番で取り組むのが基本。
売れる商品があるとそこから生まれるお金で解決できるオプション(選択肢)が増えます。
お金があれば社内に人材がいなくても外注先や業務委託先などアウトソーシングを利用して対応することもできます。また、場合によっては従来は人が対応していた仕事をシステム化することも可能です。
つまり、会社経営ではお金で解決できる問題はお金で解決することを優先した方がベターです。
経営者とお話している際、よく出る言葉が
「でも、ウチの社員が・・・」
会社経営は最終的には「いかにして人を育てるか」に行き着きますが、業績が安定するまでは
人が育たなくても仕事が回り、お金が回る座組み
をつくる方が優先順位は高いです。
先日、ある経営者とお話ししている際、いろいろと解決したい項目が出てきました。けれども、よくよくお話をお伺いすると、大半の問題はお金で解決できることが分かり、まずは「どうやって売上と利益を増やすか」に座組みづくりに集中するという結論になりました。
少なくとも、仮説の段階では、商品の販売計画を織り込んだ「キャッシュ・フローの見込み」は論理的に考えることができます。これができたら、「いくらまでは投資しても大丈夫か」も自ずと分かります。
あとは許容可能な損失の範囲内で「どうやって売上と利益を増やすか」という自社にとっての正解を見つけるしかありません。
その際、社員を育てることも両立できたらベターですが、まずは売上、利益、お金といった数字に関連する勘定を整えることに注力した方が賢明です。
一本芯の通った座組みができれば、時間と手間がかかる人材の育成も、座組みがない時に比べると時間も手間もかからなくなります。なぜなら、座組みは仮に人が育たなくても、一定のレベルで仕事とお金が回る仕組みであるため、社員も日々やることがハッキリしているからです。
一番避けなければならないのは、特定の人に依存する形で目先の売上や利益を上げて会社としての座組みがないまま放置することです。感情を持ち、変動する要素が多い人に依存する体制は長期的なリスクが大きいです。
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