知恵の和ノート
会話が噛み合わない時は意味と意図の視点から改善を重ねる(第524話)
会話が噛み合わない場合、「分かりやすい表現を使って言葉の意味を伝え切る」「『なぜ、そう言うのか』という意図も一緒に伝える」ことで改善できます。
ヒーズ株式会社の岩井徹朗です。
経営者からよくいただくご相談の一つに「社員との会話が噛み合わない」があります。
会話が噛み合わない時
・言葉の意味
・言葉の意図
という視点で考えると
- 意味:×&意図:×
- 意味:〇&意図:×
- 意味:〇&意図:〇
の3つがあります。
1.意味:×&意図:×
例えば、日本語が分からない人と日本語で会話しようとしても、話が噛み合いません。また、難しい専門用語を使った際も同じことが起こります。
この場合、相手に会話で伝えたい内容が伝わらないために、その意図も伝わりません。
そして、この段階をクリアするには、相手に分かりやすい表現を使うことが解決策になります。
2.意味:〇&意図:×
次に意味が伝わったとしても、
- なぜそのようなことを言うのか?
- その質問する背景は何か?
- それを今やる目的はどこにあるのか?
といった意図が伝わらないと、これまた会話が噛み合いません。
こちらは事実関係を確認したいだけなのに、その意図が上手く伝わらずに、聞いた方は自分に対する批判として捉えることがあります。このような場合、正確な事実確認ができずに問題解決が遅れたり、感情がこじれて、その修復に時間がかかったりします。
また、以前に言ったことと違うことを伝えた場合に、手を抜いて、その背景や経緯等を伝えずにいると、余計な混乱を招いたり、こちらに対する信頼感が失われたりする恐れもあります。
この場合、面倒くさがらずに、意図をしっかり伝えることで、会話はよりスムーズになります。
3.意味:◯&意図:◯
意味が伝わるように表現にも工夫し、その意図も丁寧に伝えている。にも関わらず、会話が噛み合わないことがあります。
例えば、厳密な意味では会話ではありませんが、裏金問題を巡る国会の答弁。やり取りを見ていると、質問者の質問の意味も意図も相手には伝わっているが、答をはぐらかしているのは明らかです。
会社においても、何かトラブルが起きた際、当事者は自分の身を守るために、答をはぐらかすことがあります。
この場合、相手には意図が伝わっており、その意図を踏まえた上で、言葉で誤魔化そうとしているので、厄介です。
対策としては、相手もこちらの意図を理解しているという前提で、伝える内容や質問する視点を変える必要があります。
その際、「論理的な矛盾をつく」といった手法に加えて、「感情の隙をつく」といった手法があります。
前者の「論理的な矛盾をつく」方法は、質疑応答を重ねていく中で、相手が誤魔化している内容を見つけて指摘するものです。
最初は難しいかもしれませんが、相手が発言した事実を冷静に分析していけば、できるようになります。
一方、後者の「感情の隙をつく」には「相手がどのようなことで感情が動くのか」が分かっていないと、なかなか使えません。
「感情の隙をつく」と言っても、相手の嫌がることを言うということではありません。逆に、相手が「建設的な会話にするために積極的に答えよう」とする状況をいかにして作り出すかがポイントになります。
最後の、「意味も伝わり、意図も伝わっているのに会話が噛み合わないケース」は会話する相手の状況にもよるので、ハードルは高いかもしれません。
しかしながら、
- 分かりやすい表現を使って言葉の意味を伝え切る
- 「なぜ、そう言うのか」という意図も一緒に伝える
ことはこちら側の努力と工夫で必ず改善できます。
もし、「社員との間でなかなか会話が噛み合わない」と日頃感じておられたら、一度弊社までお問合せください。本人がしっかり伝えているつもりでも、第三者から見ると、「それでは伝わっていないですよ」とすぐに分かります。
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