知恵の和ノート
同じ「自責」でも解釈が違うと行動も大きく変わる(第519話)
自責を「自分で自分の過ちをとがめること」ではなく、「自分に責任があると考えること」と解釈して管理職の人材育成に活かす。
ヒーズ株式会社の岩井徹朗です。
言葉をどのように解釈するかによって、その後の行動は大きく変わります。
例えば「自責」。
「自責」を辞書で引くと
- 自分で自分の過ちをとがめること
- 自分に責任があると考えること
とあります。
「自責の念に駆られる」といった場合は
- 自分で自分の過ちをとがめること
という意味で使われています。
自分自身が「あの時の判断は間違いだった」と自覚している場合は「間違った判断=過ち」と受け入れることができます。
しかしながら、現実には
当時はこれがベストだと判断した
↓
結果として、思ったような成果が出なかった
ということがあります。
この場合、下した判断が「間違った判断=過ち」であると、すぐに受け入れることはできません、
結果と言っても、1ヵ月で成果が出なくても、続けていれば半年後に成果が出るケースもあります。また、判断する際に、予想していなかったことが起こり、思うような成果につながらないこともあります。
これらをすべて「間違った判断=過ち」と捉えてしまうと、
・1ヵ月で成果が出ない→もっと手っ取り早い方法を考える
・予想していなかったことが起こる→事前調査を強化することで、行動のスピードが落ちる
ことにつながる可能性もあります。
世の中の構造は複雑になり、変化のスピードはどんどん速くなっています。このため、今日は正解だったことが明日には正解にならないことがよく起こります。
したがって、明らかに「あの時は過ちだった」というケース以外は、自責を
- 自分で自分の過ちをとがめること
の意味で捉えるのではなく
- 自分に責任があると考えること
と解釈して、次の対策を打つのがベターです。
何か問題が発生した際、政治家の先生方のように、秘書を始めとする第三者に責任をすべて押しつけて「自分は悪くない」と主張するのは他責の悪い事例です。
そのような図太さを持たず、真面目な人ほど、自責の念に駆られて「自分が悪いです」と自分を責める傾向があります。
ただ、そのことで気持ち的に落ち込んで、せっかくご本人が持っている強みの部分を消してしまうのはすごくもったいないです。
結果責任を問われて「知らんがな」と本人が周囲には言えない状況であれば、
「過ち」や「間違い」はどこか?
という視点で事実関係を振り返るのではなく、
より良い結果につながるポイントはどこか?
という視点で事実を冷静に捉え直しましょう。
ちなみに、尊敬するあるコンサルタントの方は、クライアントさんにフィードバックする際
・良かった点
に加えて、「ここは修正した方が良い」ことを
・moreポイント
として伝えておられます。
責任という場合、大きく分けると
・結果責任
・説明責任
があります。
管理職になると、自分がコントロールできない事情によって、結果責任を取らされることがあります。
その際、「自責=自分に責任があると考えること」と捉えて、説明責任を果たして改善に取り組む社員が増えてくれば、会社は必ず良くなります。
なお、「こちら」の手法は売上アップだけでなく、管理職など人材育成にも応用できます。
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