知恵の和ノート
社員を増やして利益が増える会社にするために予めやるべきことは?(第514話)
社員を増やして利益が増える会社にするためには、社員を一人増やすことに伴う利益の増加分を必ず見積もる。
ヒーズ株式会社の岩井徹朗です。
社員を増やして利益が増える会社と社員を増やしても利益が増えない会社。
その違いはどこにあるでしょうか?
当たり前のことですが、社員を増やすことで人件費等の費用が増えます。このため、社員を増やして利益が増えるためには、雇用に伴う費用の増加以上に利益が増えることが条件になります。
もちろん、営業の社員を増やすか、管理系の社員を増やすかによって、利益に与える影響は違います。
しかしながら、いずれの場合も
社員一人を増やすことに伴う費用<社員を一人増やすことに伴う利益の増加分
が中長期的に実現されるかどうかを予め見積もっておく必要があります。
ある会社では既存の事業を強化するために社員を1名増やしました。
その結果、売上高は前期比で2倍になったのですが、強化した事業の粗利率が低かったこともあり、会社全体としては増収減益。最終的には赤字になったのです。
その会社では既存事業が二つあったのですが、
・事業別の粗利を事前に把握していなかった
・新しく入社した社員は粗利率の低い事業に専念させた
ためにしばらく経ってから、「こりゃ、まずいかも?」と気づきました。
社員を採用する際には
・過去の経歴や実績
・その人に支払う年収
・本人の人間性
などを勘案して決定します。
けれども、過去に素晴らしい実績をあげた人でも、採算性の低い事業を任せた場合には利益が増えない状況に陥る可能性があります。
また、どれだけ綿密にリサーチしても、社員がどれだけのパフォーマンスを発揮してくれるかは雇ってみないと分かりません。
一方、
- どのような仕事を任せるのか
- その仕事に伴う利益がどのくらい上がるのか
については、会社の中で予め把握することができます。
つまり、社員のレベル感は分からなくても、「社員を一人増やすことに伴う利益の増加分」については会社として見積もることは可能です。
しかしながら、
・どのような仕事を任せるかをハッキリさせていない
・その仕事に関連する事業における粗利率や粗利の金額をつかんでいない
等の理由で、前述の事例のようにミスマッチが起こり、社員を増やした結果、業績がかえって悪くなったという会社も少なくありません。
なお、管理系の社員を増やす際には直接的には利益は増えないと思われるかもしれません。
ただ、このような場合、例えば
今まで社長が経理や財務を見ていた
↓
経理や財務を担当する社員を雇う
↓
その分、社長の時間が空くことで余裕が生まれる
↓
社長が新規事業にかける時間を増やせる
というように間接的に利益が増える可能性があります。
人材不足が続く中、リスクを減らしつつ、利益を確実に増やしていくためには事前の準備がますます大切になってきます。
採用活動に踏み切る前に「社員を一人増やすことに伴う利益の増加分」を会社として必ず見積もるようにしましょう。
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