知恵の和ノート
人は管理できないが、仕事は管理できる(第513話)
マネジメントとはなんとかすること。人は管理できないが、仕事の期限、対象、ゴールを明確にすることで仕事を管理することはできる。
ヒーズ株式会社の岩井徹朗です。本年もよろしくお願い申し上げます。
さて、昨年1年間にご相談のあった案件で一番多かったのは「人のマネジメント」に関することでした。
ただ、「マネジメント=管理すること」と捉えると、たとえ社員であっても、「人を管理することはできない」というのが私の結論です。
私が部下をマネジメントする経験を積んだのは今から28年前。海外駐在員事務所の立ち上げでフィリピンに赴任した時のことです。現地スタッフとして、2~3人の社員を雇っていました。
彼女たちは主に所長の仕事をサポートしていたのですが、私も経理業務や本部への報告を手伝ってもらっていました。しかしながら、そこで実感したのは、「人を管理することはできない」です。
仕事には必ず期限がありますが、締め切り日の当日になって、スタッフから「今日はお腹が痛いので休みます」と連絡があって、慌てたことが数回ありました。
昨今は健康経営とよく耳にしますが、会社は社員の健康管理にも配慮することが求められています。
もちろん、仕事の負担や残業時間等を管理して、社員が毎日心身共に健康で働けるよう仕組みを整えることは大切です。しかしながら、24時間365日社員を管理することは事実上不可能な中、一社員が「今日はお腹が痛いので休みます」と言って会社を急に休むことを防ぐことはできません。
相手が日本人ではなく、外国人だったこともあり、昭和時代の日本流の「多少具合が悪くても、責任を持って仕事をやれ」という考え方は通用しません。
そこで、私は「人は管理できないが、仕事は管理できる」として捉え方を途中で変えました。
仕事には
- いつまでに:期限
- 何を :対象
- どうする :ゴール
が必ずあります。
あとはその仕事を
- 誰が :主体者
- どうやって:方法
が決まれば、仕事を管理することができます。
「誰が」と「どうやって」は状況によって変わる可能性がありますが、
- いつまでに:期限
- 何を :対象
- どうする :ゴール
がハッキリしていれば、その仕事をやり遂げるための選択肢は複数あります。
当時と比べると、日本人も考え方が多様化し、その働き方もいろいろと増えています。このため、人を管理することは益々難しくなっています。
一方、仕事を管理するという視点に立てば
・仕事の手順をハッキリさせる
・仕事の進捗状況を見える化する
・社員は何ができるのかを把握する
ことで、よりシンプルに対応することができます。
私がマネジメントの定義で一番腹落ちしているのは「マネジメント=なんとかすること」。
「人は管理できないが、仕事は管理できる」という発想をベースにすれば、人のマネジメントの問題もなんとかする方法が見つかります。
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