知恵の和ノート
データに基づいた会社経営を実現したいなら順番を間違えない(第488話)
データに基づいた会社経営を実現したいなら、「なぜ欲しいのか(Why)→何が欲しいのか(What)→何を使うか(How)」の順番で考える。
「『ここ』にデータがありました!」
あるクライアントさんで月次の売上高を把握するために業務を見直したところ、既に使っているシステムの中に欲しいデータが入っていることが分かりました。
「毎月どのくらいの売上高が上がっているか」「今月はいくらの利益が確保できているか」を知るには、最終的には月次の試算表がベースになります。
社内に経理担当者がいて、経理システムに毎日きちんと仕訳をして入力していれば、少なくとも、今日時点で言えば、前月6月の数字を会社としてつかんでいるはずです。
しかしながら、経理の記帳を税理士に依頼している会社の場合、先方とのやり取りもあるので、タイムリーに会社の数字をつかめていないケースもあります。
すると「前月の業績はどうでしたか?」と質問しても「税理士に聞かないと分かりません」といった状況になります。
商品がバカ売れしていて、毎月すごく儲かっているのであれば、それでも大丈夫かもしれません。
しかしながら、現在は
・原材料費が毎月のように上がる
・去年までは売れていた人気商品が今年は売り行きが鈍っている
・人手が足りないので、思い切ってアクセルを踏めない
といったことがいろいろな会社で起こっています。
そこで、求められるのは「社長の勘(K)と経験(K)と度胸(D)」による会社経営から、「仮説(K)と検証(K)とデータ(D)」に基づく会社経営への体質転換です。
昨今、さかんにDX(デジタル・トランスフォーメーション)と言われているのも、この流れに沿ったものです。
ただし、気をつけなければいけないのはそれを考える際の順番です。
「DXが大事だ」と言う会社の場合、「何を使うか(How)」に焦点を当てる場合がほとんどです。
しかしながら、社長として考える順番は
なぜ欲しいのか(Why)
↓
何が欲しいのか(What)
↓
何を使うか(How)
です。
冒頭のクライアントさんの場合は
- なぜ欲しいのか(Why)
・最近売上と利益が伸び悩んでおり、採算をしっかり管理していきたい
・今は主にエクセルを使って、毎月の数字を把握しているが人手が足りずに数字を出すのに時間がかかっている
- 何が欲しいのか(What)
・概算でも良いのでタイムリーに月次の粗利が分かるデータが欲しい
でした。
そして、この観点から業務をもう一度見直したところ、主に請求書の発行するために使っているシステムの中に欲しいデータが入っていることが分かったのです。
DXと聞くと、「何か新しいシステムを使わないとDXではない」と考えておられるかもしれません。しかしながら、それはある意味DXを使って商売している会社の宣伝に洗脳されている証です。
- なぜ欲しいのか(Why)
- 何が欲しいのか(What)
が明確になれば、必ずしも新しいシステムを導入することが必須とは限りません。
いま皆さんが持っておられるスマホでも普段使っているのは機能の一部だけという方が実際には多いのではないでしょうか。
もし、何かしらのシステムを既に利用しておられるのであれば、
なぜ欲しいのか(Why)
何が欲しいのか(What)
をハッキリした上で、「今使っているシステムでその欲しいモノが手に入らないか」をチェックしてみましょう。
もしかすると、欲しいデータは既に足下に眠っているかもしれません。
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