知恵の和ノート
新しいルールを本気で守らせたいなら、徹底&モニタリングは不可欠(第482話)
会社で決めたルールを本気で守らせるには、浸透するまでルールを徹底するとともに、その運用を定期的にモニタリングする。
会社で新しくルールを定めたのに、なかなかそれが守られない。
よくあるご相談の一つです。
先日打合せであったのは、これからは「手書きではなく、システムを使って報告する」というルールを決めたのに、社員の一部は依然として手書きのままが続いているという状況でした。
新しくルールを作るということは、それまでのやり方を変えることを意味します。ただ、人は本能的に変化を嫌うので、新しいルールを守らない人は出てきます。
その際、会社として「新しいルールを本気で徹底したいかどうか」が最初の分岐点となります。
会社として「そのルールを本気で徹底したい」ということでないと
ルールは一応決めた
↓
ルールを徹底しない
↓
そのうちルールが曖昧になる
という状況になります。
そして、こういう流れが何回か続いていると、次に新しいルールを決めても「どうせまた社長の気まぐれだから、そのうち今度のルールもなくなるよ」と考える社員が増えてきて、会社で決めたルールがあまり定着しないという組織風土になります。
要は社員に舐められてしまう訳です。
銀行員時代には辟易するぐらいたくさんのルールがありました。
例えば、集金帳。銀行では、取引先を訪問した際、現金、通帳、小切手、手形といった重要物をお預かりすることがあります。これらの重要物を預かる時には、集金帳に何をいくら預かったかを書かなければなりません。
銀行員は信用第一。大切なお金を預かった証拠として記録を残すことが求められます。このため、集金カバンの中身をチェックして、きちんとルールが守られているかを副支店長などが時々確認するのです。
もちろん、検査される方は気持ちの良いものではありません。
しかし、今振り返ると、「自分たちで決めたルールがきちんと守られているかどうかを自分たち自身でチェックする」のは、それだけ本気だった証拠と言えます。
前述のご相談のあったクライアントさんに「そのルールのことは社員に何回伝えたのですか?」と質問したら、「1回です」というお答え。
そこで、「残念ながら1回では伝わりません。浸透するまで何度でも伝えましょう」とアドバイスさせていただきました。
ルールを徹底するには
- ルールを決める
- ルールを徹底する
- ルールの運用をモニタリングする
という三段階があります。
何回もそのルールを伝えるというのはまだ2の段階。このため、クライアントさんで新ルールが定着するのはまだ道半ばです。そして、銀行で副支店長が集金カバンを時々チェックするのは3に相当します。
私は個人的にはルールや規則で縛るのは好きではありません。
しかし、組織として本当に守らなければならないルールは徹底して守らせることは必要です。
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