知恵の和ノート
業務プロセスのボトルネックをなくして売上の漏れを最小化する(第481話)
売上を上げるためのプロセスを細かく見ていくと、自社の売上を確実に上げるためのヒントやポイントは必ず見つかる。
会社が安定した売上を上げていくためには何が必要でしょうか?
「営業力の強化」と一言で言うのは簡単ですが、実際には「売上を確実に上げていくためのプロセス毎に自社の強みと改善点を見つけていく」ことが求められます。
集客
↓
提案
↓
フォローアップ(受注前)
↓
受注
↓
フォローアップ(受注後)
↓
納品
↓
請求
これは先日打合せした、あるクライアントさんの仕事の流れです。
会社によって、また、商品やサービスの内容によって業務プロセスは異なります。
ただ、最初の集客&提案の部分は各社とも共通する課題。どのようなお客様を対象に、何を、どうやって伝えるのか。マーケティングで必ず問われることで、経営者の方も日々頭をひねっておられるかと思います。
一方で、受注前後のフォローアップの部分は集客や提案に力を入れている先でも、意外とおざなりにされていることがあります。このため、そのプロセスがボトルネックになって頑張っている割には、思ったほど売上が伸びないケースがあるのです。
「フォローアップ(受注前)」
「提案をしても、先方から回答が来ない」とことがあります。その時、こちらからフォローアップしているかどうかによって、売上は大きく影響を受けます。
もちろん、いわゆる見込み客といっても様々なタイプがあります。
・顕在化しているニーズか潜在的なニーズか
・お金を払う意思があるかどうか
・予算を確保できているかどうか
・自社を知っているかどうか
によって相手の反応も異なります。
単なる情報収集の段階のお客様もいれば、問題をすぐに解決したいので、相見積もりを取っているケースもあります。
この点、受注前のフォローアップが弱い会社では提案はしたけれど
・確度A、B、Cといったランク付けをしていない
・反応がない先に連絡していない
・失注した先に理由を確認していない
といったことがあります。
人には連絡しやすい先と連絡をしにくい先があります。
相性が良い相手やよく知っている取引先であれば連絡しやすいけれども、ちょっと苦手なタイプや、まだよく知らない先だど、連絡するのを躊躇してしまうことがあります。
したがって、会社の仕組みとして
- アプローチ先の進捗状況を定期的に確認する
- 担当に任せっきりにせず、必要に応じて他の社員がカバーする
- 失注した際はできるかぎり理由を確認する
ことを取り入れることが必要です。
会社によっては営業管理ツールを導入しているかもしれません。ただ、仮にそのようなシステムを使わなくても、やろうと思えば、自社に適したやり方は必ず見つかります。
「フォローアップ(受注後)」
運よく受注した後のフォローアップに関して会社によっては
・営業の目標が受注金額や受注件数になっている
・受注後は担当者や担当部署が変わる
・営業でそれ以外の部署で情報共有が上手くできていない
・業務委託先や外注先を使っている
ために
・受注後のクレームが発生している
・リピートするお客様が少ない
・お客様から新たなお客様を紹介されることがあまりない
ことがあります。
特に建設工事やシステム導入など受注してから最終的に納品や検証までの間に時間がかかるビジネスの場合は受注する前以上にきめ細かな対応が本来は求められます。
しかしながら、営業主体の会社であってもフォローアップの質と量を比べると、「受注前>受注後」であるケースが少なくありません。
この点、売上が安定している会社では受注後も手抜きをしないので、
「ちょっと高いかなぁと思ったけれど、お願いして良かった」
「お値段以上の価値がある」
「これなら、あの社長も気に入るかも」
とお客様が感じていることが多いです。
地道に改善点を見つける
営業力の強化といった場合、どうしても集客力や提案力に目が行きがちです。もちろん、これらはとても大切なことは言うまでもありません。
ただ、お客様のニーズが多様化する中
・どうやって集客をするか
・いかに魅力的な提案をするか
は、お客様のニーズを正確につかむことが必須です。
そして、昨今は売る側が「おそらくこうだろう」と想像したことが実際のニーズとは違っていることがよくあります。
これに対して、受注前後のフォローアップの場合は
「こんなことをしてくれたら(自分も)嬉しいなぁ」
「こんな対応だったら(自分なら)腹が立つかも」
といった常識的なことが当てはまることが多いです。
つまり、お客様目線という基準で考えた場合、難易度は「集客・提案>受注前後のフォローアップ」です。したがって、フォローアップの部分は経験、能力やスキルに関わらず、やろうと思えばできる人が多いです。
会社によっては営業力の強化と言っても、優秀な営業マンを増やすことはすぐに難しいかもしれません。しかしながら、売上を上げるプロセスを細かく見ていくと、改善できるポイントは必ず見つかります。
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