知恵の和ノート
業績の良い会社の経営管理資料に見られる共通点とは?(第479話)
会社の経営管理資料を作る際、必要な数字が一目で分かることがポイント。せっかく作るなら、共有される情報を基に次の行動につながるものを目指しましょう。
会社の状況を把握するために、各社ではいろいろな資料を作っておられるかと思います。
その中には、試算表のようにある程度形式が決まっているものもあります。
一方、経営管理資料として
・資金繰り表
・売上管理表
・工事台帳 etc.
のように、オリジナルの資料を作成されておられるケースもあるかと思います。
私もお金の「勘定」を整える仕事をする際、経営管理資料を見せていただくことがあります。
その際、業績の良い会社で共通しているのは「必要な数字が一目で分かる」ようになっていることです。
逆に業績がいま一つの会社の場合は「複数の資料を見たり、別途計算したりしないと、正確な数字が把握できない」ことが少なくありません。
例えば、売上管理表。
月毎に「今月はどのくらいの売上になるか?」を正確に把握するために、売上管理表を作成している会社も多いかと思います。
その際、実績値として
5月9日までの合計値が10,000,000円
と分かるよう自動集計されるようになっている資料がほとんどです。
では、仮に
5月の売上目標が50,000,000円
とした場合、
・目標の数字である50,000,000円が売上管理表に入っているか
・目標と実績の差額の数字が売上管理表に表示されているか
となると、意外とこれらの数字がないことがあります。
もちろん、経営者の頭の中には「今月の売上目標は50,000,000円だ」「今は10,000,000円なので、差額は40,000,000円だ」ということが入っているかと思います。
また、資料に数字がなかったとしても、「そんな数字は計算すればすぐ出てくる」と考えておられるかもしれません。
しかしながら、お金の勘定を整えるという点では、管理資料の中に
・目標である50,000,000円が記載されていること
・目標と実績との乖離(前述の事例で言えば、△40,000,000円)が数字として見える化されていること
がとても大切です。
エクセルで資料を作っている場合なら、計算式を入れたら、「実績ー目標」の数字など簡単に計算できます。
そして、そのひと手間をかけるかどうかで経営管理資料が
- 単に集計作業するための資料になるか
- 行動につながる資料になるか
の分かれ目になります。
情報の共有は次の行動につながってこそ意味があります。
今月売上実績である10,000,000円を踏まえて「このままだと今月の売上目標の達成は難しそうだ」と感じるか、「まぁ、なんとかなるかもしれない」と捉えるかは人によって違います。
けれども、その前段階において、
・目標:50,000,000円
・実績:10,000,000円
・差額:△40,000,000円
が誰が見てもすぐ分かるようになっているかどうかがとても大切です。
数字にまつわる資料は経理や財務など管理部門の人が作ることも多いです。ただ、その数字に対する認識は管理部門の人と営業部門の人では微妙に異なります。
管理部門の人からすれば、
正確に数字を把握する
↓
その数字を月次決算などに正しく反映させる
ことが主な仕事になります。
けれども、会社が業績を伸ばしていくには
正確に数字を把握する
↓
現状を踏まえて、次の手を打つ
ことをしないと、せっかく立てた目標も絵に描いた餅に終わってしまいます。
そのためには、情報共有として「必要な数字が一目で分かる」ことがポイントです。
予算の関係で、すぐには経営管理システムを導入できない会社もあるかもしれません。しかしながら、ちょっとした工夫をすることで、必要な数字が一目で分かるようになっている状況を作ることはできます。
せっかく経営管理資料を作るのであれば
- 第三者が見てもポイントになる指標が一目で分かる
- 共有される情報を基に次の行動につながる
ものを目指しましょう。
5月9日までの実績を踏まえて、「今月はGWがあったこともあり、出足が遅れているので、さらに営業活動に力を入れていこう」という呼びかけに共感する社員を一人でも増やすには
・目標:50,000,000円
・実績:10,000,000円
・差額:△40,000,000円
という事実を共有することが出発点です。
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