知恵の和ノート
依存先を増やすことがしたたかに生き抜くための秘訣(第478話)
自立とは依存先を増やすこと。資金繰りを回して約束通りにお金を払うことに加え、感情面でも共感してもらえる言動を日頃から積み重ねることが肝要。
一般的に「自立」と言えば「依存」の反対語。他に依存しないことが自立を意味すると考えがちです。
しかしながら、以前某金融機関のトップを務められていた経営者の方曰く、「それは『自立』でなくて『孤立』」。
そして、「小さい会社の場合は、いざという時に依存できる先が多ければ多いほど、実は自立している」というご説明でした。
中小企業は依存なくして仕事が回らない
大企業であれば、ある程度のことを自前で揃えることもできます。一方で、中小企業の場合、経営資源も限られていることから、何らかの仕事を社外に依存せざるをえません。
商品の製造を外注する場合もあれば、商品の配送を配送会社に依頼するケースもあります。また、時には営業の一部を代理店にお願いしたり、経理業務をアウトソーシングすることだってあるかもしれません。
つまり、自社だけで完結できない業務があるので、自社以外の経営資源を活用しないと、仕事が全体として回らない状況にあります。
依存先を増やすには
では、小さい会社が孤立するのではなく、依存先が多いという意味で自立するにはどうすれば良いでしょうか。
その際、やはり「感情と勘定を整える」ことが
依存先が多いので、自立できる
↓
したたかに生き抜く会社になる
ことにつながります。
勘定を整える
対象が社員であれ、取引先であれ、まずは、きちんとお金を支払うことがないと、いざという時依存できません。
時々支払期限を過ぎてしまったり、必要以上に値切ってばかりいると、普通の時はなんとかなっていても、何かあった時には「あの会社はねぇ」ということでバッサリ切られます。
会社によっては一時的に資金繰りが厳しくなって期日までにお金を払えないこともあるかもしれません。
その際も
・事前に知らせる
・連絡があるまで放置する
では、相手が抱く印象も大きく違います。
感情を整える
お金の問題はクリアできていたとしても、会社がどんなことを目指しているのかが伝わっていないと、苦しい時に協力は得られないかもしれません。
日頃から目先の金儲けに走って、自社の売上目標や利益達成にのみに目が行っていると、「あそこはえげつないからなぁ」と冷ややかに対応される恐れがあります。
「あそこの会社だったらなんとか助けたい」「あの社長をこんな時こそ応援したい」と周囲から思ってもらえる会社でないと、いざ依存したい時に依存できず、孤立してしまいます。
まさに「蒔かぬ種は生えぬ」です。
自分のできることに全集中
もちろん、普段からこちらが感情と勘定を整えて
・お金をしっかりと払う
・会社の理念や目指す方向性を社内外に伝える
ことをしていても、いざとなったら、会社を辞める社員や急に支払条件等を厳しくする取引先などは必ず出てきます。
しかしながら、これら自分以外の人の行動は経営者として100%コントロールすることはできません。ただし、「捨てる神あれば拾う神」ではありませんが、日頃の言動を見ている人はしっかりと見ています。
信頼は一日してならず。
「自分が本領を発揮する状況だったら、この場合はどうするか?」を常に意識して、まずは自分のできることに集中しましょう。感情と勘定を整えて、日頃から愚直に実践を続けていれば、いざという時、頼れる人は必ず出てきます。
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