知恵の和ノート
心意気経営における「3つのフロー」について考える(第462話)
会社経営は「キャッシュ・フロー」「セールス・フロー」、そして、「マネジメント・フロー」という3つのフローから捉えて、優先順位をつけて問題解決する。
- キャッシュ・フローを回す
- セールス・フローを回す
- マネジメント・フローを回す
この中で一番簡単なのはどれでしょうか?
キャッシュ・フローを回す。
言い換えれば、資金繰りを把握してお金が不足しないようにすることです。
セールス・フローを回す。
自社の商品について
・集客:どのようにして見込み客を集めるか
・教育:集めた見込み客に何を伝えるのか
・販売:見込み客にどうやって買ってもらうか
・展開:商品を買ってくれたお客様に何を提供するか
を決めて、売上を上げることです。
マネジメント・フローを回す。
経営理念に沿って経営戦略を立て目標達成に向けた戦術を練って仕事をすることです。
一般的な流れでは
資金繰りを回していくために必要な売上高はいくらかを把握する
↓
その売上高を達成するために商品をいくらで何個売るかを把握する
↓
その売上高を達成するための仮説を立てて行動する
↓
行動の結果を検証し、仮説を修正し、さらに行動する
です。
例えば、資金繰りを回していくために必要な売上高が12億円とした場合、「月商1億円」が一つの指標になります。
そして、商品がA、B、Cの3種類あるとしたら、月商1億円を達成するために
・商品A:500万円×10個=5,000万円
・商品B:300万円×12個=3,600万円
・商品C:100万円×14個=1,400万円
を売れば良いという計画ができます。
ただ、これはあくまで机上の空論。四則演算ができれば、小学生でも作れる計画です。
仕事で難しいのは立てた計画をいかに実現するかということで、計画通りには商品が売れない時に「何を変えて、何を変えないのか」が大切になってきます。
例えば、月初から10日経って、このままだと月商1億円を達成するのが難しいという場合。
もし、社員の目標が売上高だったとすると、商品の単価を下げて自分の目標を達成する人が出てくるかもしれません。
また、本来の販売条件は商品はお客様からの入金があって初めて販売するなのに、「支払いは後払いで良いから、この申込書にハンコだけ押してください」と販売条件を変えて売上を上げようとする動きが出てくるかもしれません。
しかしながら、キャッシュ・フローを回すという観点からすれば
販売単価を下げる
↓
利益が減る
↓
手元に残るキャッシュが減る
になりますし、
前払いを後払いにする
↓
お金の入金が遅れる
↓
今月手元に残るキャッシュが減る
ことになります。
このことも、ちゃんと説明すれば小学生でも理解できることです。
したがって、冒頭の
- キャッシュ・フローを回す
- セールス・フローを回す
- マネジメント・フローを回す
の中で一番簡単なのはどれかという問いに対する私の答えは
キャッシュ・フローを回す
です。
会社の仕事は営業であれ、製造であれ、すべてキャッシュ・フローとつながっています。
そういう意味で、キャッシュ・フローは非常に大切だけれど、数字だけで完結するので、共通認識を作るのは、それほど難しくありません。
ただ、社長はキャッシュフローの大切さを理解されていても、社員がその重要さを分かっているとは限りません。また、「数字=難しい」という先入観から理解しようとすらしていない可能性もあります。
このため、会社として
- セールス・フローを作って、どのようなお客様とどのように対応するかを周知徹底する
- マネジメント・フローを作って仕事における価値判断の基準と行動ルールを周知徹底する
ことが求められます。
そして、セールス・フローやマネジメント・フローは社員やお客様といった人が絡んでくるので、情報を共有し、それに共感し、共鳴するまでに一定の時間がかかります。
このため、継続的な取り組みが必要です。
弊社では社長を突き動かす原動力である「心意気」を商品開発や人材育成に活かす仕事に取り組んでいます。
昨年までは、社長の心意気を言語化する「心意気セッション」プロセスを最初にやっていました。
ただ、会社によっては
・当面の資金繰りを安定させたい
・新規事業を早急に立ち上げたい
・幹部社員のレベルアップを図りたい
といった直面している課題をまず解決したいというご要望があります。
そこで、今年からは
・「心意気セッション」を始めに取り組む
従来型に加えて
・「心意気セッション」と問題解決を同時並行的に進める
・問題解決を最初に取り組んだ後で「心意気セッション」を行う
パターンもリリースすることにしました。
もし、
- キャッシュ・フローを回す
- セールス・フローを回す
- マネジメント・フローを回す
という点で喫緊に解決したい課題がありましたら、まずは弊社までお問い合わせください。
強引なセールスをすることはありませんので、お気軽にご相談いただければと思います。
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