知恵の和ノート
「システム投資にかけるお金の余裕がない」は思考停止の証(第457話)
日々の改善なくして会社の成長なし。少子高齢化を踏まえて、少なくとも経営者は人がやった方が良い仕事と人がやらない方が良い仕事を見極めましょう。
ある会員サイトにログインしようとしたら、パスワードが違っているらしくログインできませんでした。
そこで、仕方なく「パスワードをお忘れの方はこちら」をクリック。
すると、一般的な問い合わせフォームが出てきて、メールアドレスの他、名前や会員区分の他、「お問い合わせ内容」の欄を書かなければなりませんでした。
この手の対応の場合
登録しているメールアドレスを記入
↓
自動的に当該メールアドレス宛に仮パスワードが届く
↓
仮パスワードでログインする
↓
自分で登録情報を変更し、新しいパスワードにする
という流れが大半です。
しかしながら、今回の場合は「お問い合わせ内容」に「手元に記録してあるパスワードではログインできず・・・」といったようにこちらの事情を文章で説明する必要がありました。
また、ログインできなかったのが、営業日ではなかったので、先方から対応策の連絡が来たのは休み明けの月曜日だったのです。
前述の会員サイトにはどうしてもログインして確認したいことがあったので、今回は先方の対応を待たざるを得ませんでした。
けれども、もし、この会員サイトがそこまでのニーズがあるものでなければ、「もう面倒くさいから放置しておこう」となり、二度とアクセスしなかったと思います。
今はいろいろとオンラインで完結できるようになり、たいへん便利になりました。しかしながら、オンラインによる自動化や業務の効率化にどこまで取り組んでいるかについては、各社毎にまちまちです。
パスワードを忘れた際に自動的に仮パスワードが発行されるサイトについては、おそらくシステムで対応している仕様になっています。
一方、今回私がログインできなかったサイトの場合
会員から問い合わせが来る
↓
社員が問い合わせ内容を確認する
↓
社員が仮パスワードを発行する
↓
社員が会員にメールを送る
というように、いくつかの業務プロセスの中で人が対応するものがあります。
少子高齢化が進む中、
- 人がやった方が良い仕事
- 人がやらない方が良い仕事
を仕分けして、できるだけ後者を減らし、前者の「人がやった方が良い仕事に社員が重点的に取り組む」ことが大切です。
このような話をすると、必ず出てくるのが「システム投資にかけるお金の余裕がない」という反論です。
もちろん、会社によっていくらまでなら、システム投資にお金がかけられるかは異なります。そして、経営資源が限られている中、優先してシステム化すべき仕事とシステム化の優先順位の低い仕事があるのは事実です。
しかしながら、「システム投資にかけるお金の余裕がない」と言う経営者に限って
・どの仕事をシステム化した方が良いのか
・人がその仕事をやっていることで、どれだけの機会損失を生んでいるのか
を把握していません。
そして、今後も少子高齢化の影響による働き手の減少が要因となって、仕事が増えた際も、人手不足のために売上を増やしたくても増やせないという状況が想定される中
システム投資にかけるお金の余裕がない
↓
今のままで仕事のやり方を変えられない
というストーリーを持っていたとしたら、いつかは大きなしっぺ返しに遭います。
DXというように大上段に構える必要はありません。
けれども
- 業務改善に前向きな会社
- 業務改善に関心の薄い会社
であれば、いまは同じような業績であっても、1年後、3年後には大きな差が出てきます。
12月に入り、何かと忙しくなる時期ですが、忙しくなるからこそ
「もっと効率化できることはないのか?」
「これって他のやり方があるのでは?」
「この業務は自動化できるでは?」
という観点で仕事を見直しましょう。
日々の改善なくして、会社の成長なしです。
なお、10月に販売開始となった拙著「『心意気』から始める経営改革のススメ」のKindle版がようやく発売となりました。
最近は電子書籍で本を読んでいる方も増えておられます。「Kindle版なら読みたい!」という方はぜひご一読いただければ幸いです。
第1章 孤立無援を個立応援に変える
第2章 一貫性を貫いて現状を変革する
第3章 自分の感情に着目する
第4章 心意気を発見する
第5章 コア・バリューを決める
第6章 商品のUSPを定める
第7章 3つの価値を共有する
第8章 「3つの自立」で事業を成長させる
第9章 「これがええやん」を自然と広げる
第10章 「4つの立ち位置」を知って本領を発揮する
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