知恵の和ノート
久しぶりにライブに行って感じたアーティストの心意気(第455話)
お客様のニーズが多様化する中、長く事業を続けていくなら、人が分かってくれるかどうかに関係なく、自分が良いと信じることを貫く強さが必要。
「お二人が来られると分かったので、当初は予定になかった曲を最初に演奏しました!」
先日久しぶりにライブハウスに行った時のこと。
アーティスト(以下Sさん)は某有名グループのメンバーのお一人なのですが、ご縁があって、弊社の取締役がライブで歌う時にも演奏してくれています。そして、行ったのはSさんのソロライブでした。
時々演奏会のご案内をいただくのですが、新型コロナが流行り出してからはなかなか直接演奏会には行けず、いつもライブ配信で視聴していました。今回は演奏会の日が結婚記念日と近かったこともあり、ご案内いただいた際にすぐに予約を入れたのです。
パソコン越しとは違って生で聴く演奏は迫力満点だったのですが、最初に演奏された曲は私が大好きな曲でした。
そして、演奏会が終了後、Sさんと少しお話する機会があった時に先方がおっしゃったのが冒頭の言葉です。
私は音楽のことはよく分からないのですが、取締役の解説によると
・その曲は本来エレキギター付きで演奏されるもの
・今回はメンバー構成の中にエレキギターの人がいなかった
・このため、この曲は当初演奏する予定がなかったのはごく自然の流れ
だそうです。
しかしながら、Sさんは
・ふだんライブに来ない私たちが久しぶりに聴きにくる
・演奏予定のなかった中に私の好きな曲がある
ことを踏まえて、わざわざ演奏の曲目を変えてくれたのです!
久しぶりの生演奏に気持ちも高揚していましたが、最後に打ち明け話をお聞きして、胸がジーンと熱くなりました。
まさに「心意気」そのもの!!
ライブハウスの会場は満席でしたが、アーティストの方のお人柄と根強い人気の一端を演奏とともに堪能できました。
Sさんの演奏する姿を見ていると「音楽が好きだ!」ということが全身から伝わってきます。
世の中には音楽が好きな人もいれば、それほど好きではない人もいます。また、音楽好きの人の中にも、クラシックは好きだけれど、ロックは嫌いという人もいれば、その逆のパターンもあります。
このため、いくら本人が「この音楽が好きだ!」と思って一生懸命演奏しても、その価値が世の中のすべての人を魅了する訳ではありません。
そして、これは音楽を自社商品や自社のサービスに置き換えても同じです。
その際、人は2種類に分かれます。
- 人が分かってくれるかどうかは関係なく自分の信じることを貫くタイプ
- 分かってくれる人だけ分かってくれたらよいと割り切るタイプ
少なくともSさんは前者のタイプ。そして、私は後者のタイプです。後者のタイプである私は前者のような人に憧れます。
今回出版した「『心意気』から始める経営改革のススメ」は、後者のタイプである私がどうやったら前者の「人が分かってくれるかどうかは関係なく、自分の信じることを貫くタイプ」に近づけるのかを研究し、実証した結果をまとめたものになります。
経営者である以上、すべての人をお客様にすることはできないので、「分かってくれる人だけ分かってくれたらよいと割り切る」部分も必要です。
しかしながら、お客様のニーズが多様化する中、長く事業を続けていくなら、「人が分かってくれるかどうかに関係なく、自分が良いと信じることを貫く強さ」も必要ではないでしょうか。
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