知恵の和ノート
商品の価値を実感できる際、会社の価値を貶めているビジネスモデルとは?(第450話)
長く事業を続けていくなら、人が代わり、環境が変わっても変わらない価値としてお客様に何を提供するかを明確にして一貫性のあるビジネスモデルを設計する必要あり。
「でも新規の勧誘ばかりで契約したら音沙汰なくなる保険屋さんって多いですよね。いつの間にか担当者が辞めて違う担当者が挨拶に来ることってよくありませんか?これはもはや保険の担当者じゃないんです。契約を取るだけの営業マンです。」
これは現役保険営業マンの方が書かれていたnoteの一節です。
今年母が亡くなった際にいろいろと保険の手続きを行った際、「なんだかなぁ」ということが多かったので、この文章を読んで、「まさにそうだよね!」と感じて、思わず「いいね!」を押しました。
素晴らしい保険営業マンがいらっしゃることは私も知識としては知っています。しかし、残念ながら、今まで出会って保険を契約した方は残念ながら前述のように「契約したら音沙汰なくなる保険屋さん」ばかりでした(苦笑)。
生前母の所にも生命保険会社の人が来ていたようで、遺品を整理していた際、名刺が何枚かありました。けれども、その方が今でも担当なのか、仮に担当者だとしても、どこまでやってくれるかは分かりません。
そこで、手続としては
コールセンターに連絡する
↓
必要な書類を送ってもらう
↓
資料を揃えて申請する
という手順を踏みました。
保険営業マンにとっては、「契約を取る→自分の成績に反映される」ので、契約を取ることに熱心になるのは合理的な行動です。けれども、保険の契約者にとってみれば「何か問題が起きる→保険を利用する」ことで、初めてその保険の価値を実感できます。
そして、その保険を利用する際にいろいろと面倒な手続きが多いと、「保険会社って保険を払いたくないんだよね」という印象を抱きがちです。このため、クライアントが商品の価値を実感できる時に「なんだかねぇ」と感じさせる状況が生まれているのです。
これはビジネスモデル的にはたいへんもったいないことです。
母は3社ほど保険に加入していたのですが、1社の対応はかなりお粗末だったので、私は「この保険会社は絶対にやめておこう」と感じました。
一担当者の立場からすれば、新規の契約を取って自分の給料が上がればそれでOKかもしれません。
けれども、会社が長く事業を続けていくなら、たとえ途中で
・担当者が変わる
・契約内容が変わる
・手続きが変わる
としても、一定レベル以上の価値を提供し続けることが求められます。
言い換えれば、弊社の哲学として大切にしている「常しなえの一貫性」が必要です。
その際、やり方は各社がそれぞれ判断すれば良いので、これが正解だということはありません。
母の保険のことで言えば、一番満足度が高かったのは「コールセンターですべての対応が完結できる仕組みを作っている」会社です。
一方、「この保険会社は絶対にやめておこう」と思った会社は
コールセンターは一時的な受付だけ
↓
担当の支店に連絡する
↓
支店の中でたらい回しにされる
↓
同じことを何回も聞かれる
という状況でした。
ちなみに、冒頭でご紹介した保険営業マンの方は転職して保険会社に入った当初、「契約取りました!」と報告したら、先輩から怒鳴られたそうです。
その先輩曰く、「契約は取るって言わないんだよ。契約をお預かりしただろ?よく覚えておけ。お前の仕事はこれからなんだぞ。契約して頂いたお客様の人生を預かったんだから。」
ちょっとした言葉使い一つで、お客様に対する対応も大きく変わります。
noteで読んだだけなので、どこの保険会社かは分かりません。けれども、もし、その先輩がおっしゃったことが社員の心意気として広く浸透しているなら、そのような会社とお取引したいと思った次第です。
なお、長く事業を続けていくためには、会社や商品が提供する価値を言葉としてしっかり認識し、社内に広げていく必要があります。
その際、広報(PR)の観点から考えることは有効です。
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