知恵の和ノート
経営理念を社内に浸透させたいなら、行動目標を高速で回転させる(第443話)
経営理念の社内に早く浸透させるには、目標を意義目標、成果目標、行動目標の3つに分けて設定すると共に、行動目標を仮説と検証を高速で繰り返して改善する。
組織が成立するための要件の一つは「共通の目的」です。
そして、共通の目的がない組織はチームではなく、グループであると定義づけられています。
仲の良い友達が集まっておしゃべりするだけであれば、共通の目的はなくても良いかもしれません。一方、仕事で集まって話し合いをする際には、共通の目的のないグループではなく、何かしら共通の目的のあるチームである必要があります。
会社の場合、本来の姿としては
経営理念の中で共通の目的が規定されている
↓
その共通の目的に賛同する人が社員として働いている
です。
しかしながら、
・経営理念の中で共通の目的が規定されていない
・規定はされているが、一般的な内容に留まっている
・魅力的な内容だが、社員には浸透していない
ことが少なくありません。
そこで、弊社では経営者の心意気を言語化して、
経営者の心意気に沿う形で経営理念を再定義する
↓
再定義した経営理念を社員に伝え続ける
ことに取り組んでいます。
しかしながら、経営者と社員との間には立場や認識の違いがあるので、経営者が共通の目的を含んだ経営理念を社員に伝え続けても、浸透するには時間がかかるのは事実です。
そこで、最近クライアントさんにお勧めしているのが「目標を3つに分ける」という方法です。
その3つとは
- 意義目標
- 成果目標
- 行動目標
です。
経営理念に沿って、「なぜこれをやるのか?」に相当するものが意義目標。
これだけで社員が自主的に行動してくれたら楽です。しかし、抽象度が高いためにこれだけではなかなか行動につながりません。
そこで、もう少し具体的に、数字として把握できるようなゴールを設定するのが成果目標です。
営業中心の会社であれば、「今期の売上目標は一人5,000万円」といった成果目標を設定しているかもしれません。しかしながら、この成果目標は先の意義目標と繋がってこそ初めて意味があります。
そして、行動目標。
意義目標、そして、成果目標を達成するために具体的にどのような行動をするのかを決めるのが行動目標です。
同じ5,000万円の売上を目指すにしても
・お客様の長期的な成長につながる行動
・お客様の成長には全く関心のない行動
とでは、取るべき行動が異なります。
また、昨今のようにお客様のニーズが多様化している中では「これをやればお客様は喜んでくれる!」と思って取り組んでも、
・全然反応がなかった
・本当は別のことを望んでいた
ということがあります。
このため、この行動目標に関しては
行動目標の設定
↓
行動する
↓
結果を検証する
↓
検証に基づいて新たな仮説を立てる
↓
新たな行動目標を設定する
↓
行動する
↓
・・・・・
というサイクルを早く回していくことが必須です。
したがって、会社に経営理念を浸透させて共通目的のあるチームとして機能させるには
- 目標を意義目標、成果目標、行動目標の3つに分けて設定する
- 行動目標は仮説と検証を繰り返して常に進化させる
ことがポイントになります。
経営理念の浸透など、時間のかかる取り組みは、最初はなかなか成果を実感できないかもしれません。
けれども、行動目標までブレイクダウンし、可能であれば毎日、少なくとも1週間毎に行動をフォローアップし、必要に応じて修正を加えていくことで、かかる時間を短縮することはできます。
なお、弊社では経営理念を浸透させて経営改革を進めたい経営者の方とご一緒に「社長専任の社外チーム」を組成しています。詳しくは「こちら」をご覧ください。
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