知恵の和ノート
仕事のイラッを社内のイライラに変えないための仕掛け(第434話)
社内におけるイライラを減らすには、社員に自分の思考の癖を自覚してもらい、モノゴトの捉え方を変えるという仕掛けが必要。
最近仕事でイラッとしたことはないでしょうか?
・こちらの意図が伝わない
・期限までに頼んだ資料が出てこない
・メールを送っても返事が来ない
・自分勝手な理由ばかり並び立てる
・トンチンカンな回答が返ってくる
書き出すとキリがありません(笑)。
そして、大抵の場合、イラッとする対象は「人」です。
もちろん
・パソコンがなかなか立ち上がらない
・システムの仕様が変わってボタンが見つからない
・問い合わせ先の情報が探せない
など、機械やシステムに関してイラッとすることはあります。
けれども、機械やシステムの場合は
・ダメなら買い替える
・根気よく探してみる
・別のツールを使う
というような対処方法があります。
一方、人の場合はその対象が社員であれ、お客様であれ、お取引先であれ、「イラッとする→すぐに対処する」とはなかなかいきません。
もし、会社に勤めているビジネスパーソンであれば
仕事でイラッとする
↓
すぐに転職する、もしくは、独立起業する
とはなりません。
そして、会社の仕事でイラッとする場合、その要因はたいてい根深いものがあります。
転職に関する調査によれば、人は
・不満があるだけでは会社を辞めない
・不満が変わらない時に転職を考える
という結果が出ています。
したがって、社員が会社に不満を抱いている際に
経営者がその状態を放置して何も手を打たない
↓
不満が変わらない状態が続く
↓
社員がその会社を辞めることを考える
という流れが生まれます。
小さな「イラッ」で済んでいれば良いのですが、それが改善されないと、やがて大きなイライラになるという感じでしょうか。
時折、クライアントさんから、「離職率を下げたい」というご相談を受けます。
そして、そのような会社の社員の方に個別にお話をお伺いすると、イラッとする状態やモヤモヤする状態に対して「会社に言っても、なかなか変わらない」という答えが返ってきます。
もちろん、会社では、いくつか手を打っているのですが、それが社員に上手く伝わっていないのです。
このような場合、会社として
- 経営者は社員の不満に対して解消しようと、取り組んでいることをこまめに情報発信する
と共に
- 社員が自分自身の捉え方を変えるための仕掛けを行う
ことが必要です。
人は本能的変化することを嫌がります。
このため、有効な対策を打ったからといって、すぐに変化はしません。ましてや、イラッとする対象である他人の言動を変えることは一筋縄ではいきません。
しかしながら、「自分の捉え方を変える」ことは、やろうと思えば今すぐにでもできます。
例えば、「メールを送っても返事が来ない」ケース。
イラッとする場合、たいていは「どうしてわざわざメールを送っているのに返事をよこさないんだ」と、相手に対する非難に意識が行っています。
この場合、相手が返事を出さないのは
・メールが届いていない
・迷惑メールフォルダに入っている
・メールの内容に関心がない
・忙しくて返事を出す時間がない
・うっかり忘れている
・送った文面の中で返信してもらうことを書いていない
など、いろんな原因が考えられます。
そして、もし、本当に相手から返信をもらいたいのであれば
・メールを再送する
・電話して連絡する
・「◯◯までに返信がない場合はOKしたものとして進めます」という文言を入れておく
といった対策があります。
つまり
・メールを送った際の目的を明確にする
・メールに対する返信はこちらの意図通りには来ないという前提に立つ
と共に
・なぜ、メールに返信が来ないとイラッとするのかを掘り下げる
ことで、
・何をどうすれば良いのかを考えて実行する
ことがポイントになります。
「なぜ、メールに返信が来ないとイラっとするのか」については、一人ひとり異なります。
けれども、
・仕事でメールを送る際の目的をハッキリする
・メールに対する返信は自分ではコントロールできないことを自覚する
なら、誰でも応用できます。
そして、
・何をどうすれば良いのか
については、すぐに答えを教えずに、自分で考えさせることが大切です。
人に関する問題は、その人の感情や思考が複雑に絡んでくるので、「この対策をやれば絶対大丈夫です!」ということはありません。
しかしながら、人は自分の思考の癖が分かり、モノゴトに対する捉え方が変わると、その行動にも徐々に変化が生まれてきます。
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