知恵の和ノート
「100万円しかない」騒動で感じた発想の転換の必要性(第428話)
魅力ある金額を提示できれば、優秀な人が集まる確率は高まるので、「費用を抑えるのは美徳」という発想から転換する。
「議長になっても、毎月もらう歳費は100万円しかない」
衆議院議長の発言がいろいろと問題になっています。
ただ、議論の焦点は
多くの国民は月収で100万円もらっていない
+
税金で給料をもらっているのに自覚がない
です。
つまり、金額と財源です。
では、会社の社長が
「社長になっても、毎月もらう100万円しかない」
と発言したら、社員はどのように感じるでしょうか。
まず、金額について。
あれだけ働いているのに、100万円しかもらっていないのか。
ぜんぜん働いていないのに、100万円ももらっているのか。
次に財源について。
社員は社長が普段どのような仕事をしているのか把握している訳ではありません。
また、会社の財務状況について、社員に開示していない会社も多いかと思います。
そして、社長がプレイヤーとして活躍しているのではなく、会社経営に専念しているケースは、売上や利益に対する社長の貢献度が分かりにくいのが普通です。
このため、多くの場合、比較の対象は自分の給料。
そして、会社においては、社長の給料が一番高いのが一般的なので、
・自分は毎月50万円だけれど、社長になっても給料が倍になるだけか
・自分は毎日朝から夜まで頑張って働いているのに暇そうな社長は自分の2倍ももらっているのか
となることが多いと思います。
この辺りを、すべての社員に理解してもらうのは難しいのですが、後継者を育成するという観点からすれば
・社長の仕事の内容を明らかにする
・「社長になったら、こんなに給料がもらえるんだ」という収益をあげられる財務体質にする
のが理想です。
日本の場合、安い給料で(時には無償で)一生懸命働くのを尊ぶ傾向があります。
しかしながら、それぞれの人が本来の実力を発揮して、しっかり稼ぐのは、経済を回していくための基本です。
「どうせ雇うのであれば、高い給料を払え」
これは以前海外で働いていた時、駐在経験の長い方に教えていただきました。
人件費を抑えようとして、給料の安いスタッフを雇うと
仕事のレベルが低い
↓
一定の仕事の品質を保つために余計な手間隙がかかる
↓
かえって割高になる
というもの。
このため、多少期待外れのケースはあっても、高い給料で人材募集した方が仕事の上ではベターという訳です。
経営は確率論であるという観点からすれば、社長であれ、社員であれ、給料は低いよりもが高い方がより優秀な人が集まります。
ところで、冒頭でご紹介した政治家のご発言。
毎月もらう歳費が100万円しかないために、あのレベルの人が国権の最高機関である国会の議長になっているのであれば、国として大きな損失。
それなら、いくつかの有力企業がお金を出す形でお金を出して
歳費100万円+補填分900万円
↓
議長になれば毎月1,000万円はもらえる
↓
やる気もあり、資質の高い人が議長をやって国会を切り盛りする
方がかえって日本のためになるのではと思います。
自分より高い給料をもらっている人を羨ましいと感じる際に、その人の下らない発言を単に批判しているだけでは残念ながら、自分の給料は増えません。
下らない発言はスルーして、「自分が月額100万円もらうには何をどうすれば良いのか」というように、自分事としてすぐに思考を切り替えられる人が増えてくるかどうかに日本の浮沈がかかっています。
なお、給料を上げるために何をどうするのかを主体的に考えるのと同じく、PRの仕事はまだまだ日本人が苦手とする分野ではないでしょうか。
せっかく素晴らしい商品があっても、その魅力が伝わらなれば、世の中にはないのと同じです。そして、それは自分の会社にとってだけでなく、社会的にも大きな損失です。
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