知恵の和ノート
値引きを要求する相手は、予算がなくて購入しないケースよりもたちが悪い?(第423話)
商品の価値を伝え切っても、値引きを要求されるのは価値が理解されていない証拠。中途半端に値引きに応じるよりも、あえて売らないという選択が長期的なキャッシュフロー改善に貢献する。
商品やサービスについて、いろいろと説明して、いざ価格を提示した時、お客様の反応は
- 「今回はやめておきます」と購入しない
- 「価格を下げられないか」と申し出る
- 「よろしくお願いします」と購入する
の3つに分かれます。
たまに値段を聞く前に「買います!」とおっしゃる奇特な方もおられます。
けれども、ある程度高額な商品やサービスになると、やはり「値段はいくらなのか?」は買うか買わないかを最終的に決める大きな要因です。
もちろん、販売する側としては「価値>価格」と感じてもらえるよう、いろいろと説明する際に知恵を絞る必要があります。
しかしながら、お客様の懐事情を100%把握することは無理。したがって、こちらがいくらしっかりと商品の価値を伝えられたとしても、残念ながらお金を持っていない人は買ってくれません。
実際、弊社でも「この人はウチのサービスを使ってもらったら、もっと成果が出るのに」と思っていて、かつ、先方も「おおよそサービスの価値を理解してくれたかなぁ」という手応えがあった場合でも、最終的なお見積りを出して以降、返事がいっさい来ないケースがあります。
そして、このようなケース。予算的には厳しそうだと、ある程度こちらも分かっている場合は、フォローアップも最小限に留めています。
一方で、やっかいなのが「価格を下げられないか」と値引きを申し出てこられるケースです。
料金のお支払い方法については、最初にこちらの条件は申し上げますが、「必ずこの会社は成長する」と感じた場合は、随時ご相談にのらせていただいております。
けれども、値引きを要求された場合は、現在はご相談にはのらず、すべてお断りしています。
実は過去に値引き要請を受けて、最初に提示した金額より、値下げした金額で仕事を受けたことがありました。
その時のこちらの心の内は
・これで次の契約につながれば良いか
・これで実績につながれば良いか
です。
しかしながら、過去に値引き要請のあった先は
・次の契約につながらない
・なかなか行動しないので、成果が出にくい
・依存体質で、いろいろと要求が多い
という共通点がありました。
こちらが最初に提示した金額も、先方としては払おうと思えば、けっして払えない金額ではなかったはずです。
けれども、こちらが自分に都合よく解釈して値引きに応じてしまったために、先方も当方も満足度の低い結果に終わったという痛い経験があります。
商品の価格設定は会社の業績に大きな影響を与えます。
そして、時にはこちらの設定した価格では市場が受け入れてくれないこともあります。その際は、企業側の努力で価格を下げても、利益を確保できる体制を作ることが求められます。
しかしながら、こちらが設定した価格で一定数のお客様が買ってくれる場合は「原則として値引きには応じない」のが基本になります。
先日も、あるビジネス雑誌を読んでいると、経営の神様と言われる松下幸之助さんの逸話が出ていました。
ある時、幸之助さんが取引先に出向いて商談したところ、「その値段では高い」と言われて、値下げを要求されたそうです。
経営者として売上を確保するため、どうしても商品を売りたかったので、値引きして売ろうと思った時、工場などで頑張っている社員たちの顔が浮かび、「ここで値引きしては彼らの努力が報われない」と考え、値下げを思いとどまりました。
そこから、再度その取引先と粘り強く交渉したところ、最終的には先方も納得して、定価で商品を販売できたとのこと。
払えるお金があるのに、値引きを要求されるのは「先方は自社商品の価値を理解していない」ことを意味します。
当面の資金繰りが厳しくて背に腹は代えられない場合は別ですが、「こちらが商品の価値を伝え切ったのに、値引きを要求される場合は売らない覚悟を持つ」のが長期的な会社の利益につながります。
なお、機能価値と感情価値、そして、社会的価値を言語化することで、商品の価値はより多くの人に伝わりやすくなります。
よく値引きを要求されるという場合は、一度PR設計をしっかりと組み立てることをお勧めします。
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