知恵の和ノート

2022/03/15

理想が高く、自己評価も厳しい経営者にお勧めの思考法とは?(第419話)

カテゴリー :意識改革

自分は理想が高いと自覚のある経営者は目標から逆算する事業計画的な思考だけでなく、自社がコントロールできる範囲の仕事に集中するぶらり散歩的な思考を身につけることで、現状を突破できる可能性が広がる。

理想が高く、自己評価も厳しい経営者にお勧めの思考法とは?

メルマガ読者の方にご案内させていただいたセミナーの特典である個別相談を先日から随時実施しているのですが、一つ気づいたことがあります。

それは「理想が高すぎるのはかえって危険だ」ということです。


一般的に良く言われるのは「目標は高く持て」。このため、高い目標を掲げて日々努力するのは、とても大切なことだと考えられています。

しかしながら

高い理想を掲げる
 ↓
その理想と合わないものはダメだと評価する

という流れになってしまうと、「理想が高い場合には、いつまで経っても社員も評価しないし、自分自身も評価しない」という結果に陥りがちです。


学校のテストで言えば、「100点満点でなければ、99点でもダメだ」という感じでしょうか。

ただ、学校のテストの場合は必ず正解があります。このため、さらに努力することでミスをなくし、次のテストで100点を取ることも可能です。


けれども、仕事の場合は必ずしも正解がある訳ではありません。

昨年までは順調に売れていた商品が今年になって急に売れなくなることがあります。

その要因としては

・競合商品が出てきた

・景気が悪くなった

・お客様の嗜好が変わった

など、いろいろなことがあります。

複数の要因が複雑に絡みあっていることもあり、「これさえあれば確実に売れます!」という正解はありません。


その際、理想が高く、まじめな経営者ほど

・商品の品質をさらに上げよう

・商品の価格を下げよう

・商品の広告宣伝費を増やそう

といろんな手を考えます。

しかし、本質的な問題を深掘りしないまま、やたらに打ち手を増やしても、お金が出ていくだけで一向に売上アップにつながらないことがあります。特に売上の場合、市場やお客様という自社以外の要素が数字に大きく左右します。


このため、値下げしても、売れないことがあります。

すると

値下げしても売れない
 ↓
売上も利益も減る
 ↓
資金繰りが厳しくなる

という悪循環に陥ります。


このように先行きが読めず、計画通りに物事が進まない場合は「思考の仕方を変える」ことが有効です。

 

高い理想を掲げて、そこから逆算して何をやるのかを考えるのは、言ってみれば「事業計画的な思考法」です。

これに対して

  • 自社の経営リソースをもう一度見直す
  • 許容可能な損失の範囲を見極める

ことを前提に

  • 目的や手段を柔軟に変えて新しい価値を生み出す
  • 自社のコントロールできることに集中する

という「ぶらり散歩的な思考法」があります。


後者の場合は、銀行などの受けはあまり良くないかもしれません。それは、銀行などの金融機関は基本的に事業計画的な思考法に沿って行動しているからです。

けれども、昨今多くの日本の銀行が苦戦している状況からも分かるように、「事業計画的な思考法だけでは変動の大きい時代を乗り切ることが難しい」ことにお気づきの方も多いのではないでしょうか。


先に「高すぎる理想はかえって危険だ」と申し上げたのは、理想や目標から逆算して論理的に考えて行動する癖がついている場合、「ぶらり散歩的にコロコロ行き先やり方を変える」のはダメだという評価を下しがちだからです。

事業計画的な思考だと、「100点を目指して90点しか取れないと計画未達成で×」という評価になります。

一方、ぶらり散歩的な思考だと、そもそも100点を目指しません。「新商品を販売してたとえ1個も売れなくても、それが許容可能な損失の範囲内にある限り、一歩前進した」という評価になります。

なぜなら、新商品を開発し、販売するプロセスにおいて、何かしら自社の経営資源になっているものがあると考えるからです。


もちろん、「これならほぼ確実に商品が売れる」という成功パターンが見えたら、事業計画的な思考に頭を切り替えて「この商品で売上1億円を上げるにはどうすれば良いか」をしっかり詰めて着実に実践することが求められます。

つまり、2つの思考法に優劣はなく、状況によって使い分けることで相乗効果が生まれるという訳です。


したがって、高い理想を掲げ、目標設定から行動に落とし込むことに慣れ親しんでいる経営者の場合は、まず「ぶらり散歩的な思考に沿って、自社がコントロールできる範囲の仕事に集中する」ことをお勧めします。

最初は、その場しのぎで節操がないと感じられるかもしれません。しかしながら、気軽な散歩で新しい発見があるように、途中のプロセスを楽しむことができたら、面白い展開が必ず起こります。
↓ ↓ ↓
ぶらり散歩的な思考法について、もう少し詳しく知りたい方は、お気軽に弊社までお問い合わせください。

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