知恵の和ノート

2022/01/18

組織の中で人が本領発揮できないのは「立ち位置」を本人が正しく自覚していないから(第411話)

カテゴリー :社員教育

組織の中で人が本領を発揮するには(1)機関車型(2)センター型(3)見守り型(4)演出家型という4つの立ち位置を正確に自覚する必要あり。

組織の中で人が本領発揮できないのは立ち位置を本人が正しく自覚していないから

組織の中で人が本領を発揮するには大きく分けると4つの立ち位置があります。

(1)機関車型
(2)センター型
(3)見守り型
(4)演出家型

ざっくり定義すると

  • 機関車型は先頭に立って引っ張るタイプ
  • センター型は輪の中心で頑張るタイプ
  • 見守り型は後方から全体を支えるタイプ
  • 演出家型は舞台下で構想を練るタイプ

という感じです。


どの型が良くて、どのタイプが優秀だということはありません。

しかしながら、クライアントさんとお話している中で、「役目として求められている立ち位置と自分が本領を発揮できる立ち位置が違っている」ために、本来の力を発揮できていないケースがあることに気づきました。

例えば、部長として先頭に立って率先垂範する役割を期待されているのに、ご自身が後方で全体を見守るのが得意な場合。社長から見ると、「リーダーシップが足りない」と映ってしまう恐れがあります。

4つの立ち位置別の仕事への活かし方
この場合、解決方法はいくつかありますが、一番良いのは「まずは自分が本領発揮できる立ち位置を正確に自覚する」ことです。

と言うのも、先の4つの立ち位置を説明して、「あなたはどのタイプだと思いますか?」と質問して返ってきた回答が必ずしも正確ではないことが多いからです。

実は機関車型で、先頭に立つことで力を発揮できるはずなのに、過去に先頭に立った時に、他人から大きな批判を浴びた経験があったとします。すると、その人はその経験がトラウマになって「先頭に立って仕事をするのは目立つから嫌だ」と思ったりすることがあります。

そこで、「自分は見守り型だ」と誤って認識してしまうと、せっかく先頭に立って力を発揮する仕事が回ってきても、本来の力を発揮せずに終わってしまう恐れもあるのです。

 

このため、我々のその人の発した言葉だけに囚われないよう気をつけています。

その一例をちょっと掛け合い漫才風に表現してみましたので、ご参考までにお読みください。

↓  ↓  ↓  ↓  ↓

 

「社長が言うには『社員が自走する組織を作りたい』らしいねん。」

「それはまさに『演出家型』やないか。演出家っていうのはやね、芝居が始まったら舞台の下から役者の動きを見るっていう立場やねん。芝居が始まるまではいろいろ演技指導もするけれどやね、いったん幕が上がったら、後は役者が自力で頑張るしかないねん。」

「でも、その社長は社員が自走し出したら、やたらと文句を言い出すらしいねん。」

「えっえー、ちょっと待って。それは『演出家型』と違うやないか。実際に芝居が始まった後に、舞台下から演出家がダメ出ししたら、見てるお客さんも戸惑うやないかー。他、なんか言うてなかったかぁ?」

「その社長が言うにはな、『社員が自分の顔色ばかりうかがっているのは嫌や』と言うねん。」

「それは『演出家型』やないか。役者は芝居中には相手役の表情やお客さんの反応を見ながら行動せなあかんねん。役者が演技の最中に演出家の方ばかり気にしとったら、芝居は興ざめやからね。」

「でもな、その社長はな、社員が指示通りに動いてもいても、途中で『俺のやり方と違う!』ってダメだしするらしいねん。」

「えっー、それやったら『演出家型』と違うやないかぁ。演出家はやね、練習の時にはいろいろと指導するけれど、本番になったら役者に任せるしかないんよ。たとえ、指導した通りにできていなかったとしても、それは役者のせいじゃなくても、自分の教え方が悪いと思ってなかったら、演出家なんかできないからね。他なんか言うてなかったかぁ?」

「その社長の口癖はね、『会社をもっと大きくしたい!』らしいねん。」

「それやったら、『演出家型』やないかぁ。どんなに優秀な社長でも、一人で見られるのはせいぜい30人ぐらいって言われてるねん。それより社員の数が増えたら、何かしら仕組みを作って仕事を回していかないと、会社は大きくならへんからね。」

「でもな、その社長をよく見ていると、どうも社員から好かれたいらしいねん。」

「えっー、それやったら『演出家型』ではダメやないかぁ。演出家というのはやね、たとえ役者から嫌われても、最高の芝居を作ってお客さんが喜んでくれることで、初めて評価されるものやねん。お客さんの評価より、社員から嫌われたくないということを優先していたら、芝居の質は落ちるからね。」

「それでな、その社長の本音は『社員には自分の期待通りに行動してほしい』ということらしいねん。」

「それやったら、『演出家型』より『センター型』やないかぁ。『センター型』はやね、舞台の中心にいて、自ら直接指導するタイプやからね。ここを間違えて提案すると、途中ではしごを外される恐れがあるから、気をつけなあかんよ。」



↑  ↑ ↑ ↑  ↑

いかがでしょうか?

先日も私が事務局を務める研究会でも、「人の発言や行動の裏に潜む真意を探るにはどのようにアプローチすれば良いか?」ということが議論になりました。

過去の経験や今までの常識、また他者からの期待などが要因となって、人は自分が本領発揮できる姿を自分自身で正確に自覚しているとは限りません。そして、本人の認識が曖昧なのに、第三者がその人の本領発揮できる立ち位置を正しく言語化することは更に難しいです。


しかしながら、我々は今までのクライアントさんとのセッションを通して、先の4つの立ち位置を正しく自覚する方法について

4つの立ち位置を正しく自覚するための3ステップ

として体系化しています。

4つの立ち位置を正しく自覚するための3ステップ

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