知恵の和ノート
「仕事の引継ぎあるある」から会社の課題を浮き彫りにする(第406話)
仕事を短期間に引継ぐという観点から、日常業務を見直すことで仕事が見える化され、業務の効率化や社員の多機能化が実現可能となる。
人事異動で部署が変わる際や同僚が休みを取る際など、「仕事の引継ぎ」は誰しも一度はご経験されているのではないでしょうか。
私は最初の勤め先が銀行で
・2~3年に1回は転勤がある
・行員は交替で休みを取る
のが一般的だったこともあり、大小合わせると、かなりの数の引継ぎを経験してきました。
特に転居を伴わない異動の場合は、引継ぎ期間も2~3日と短く、取引先への挨拶周りにほとんどの時間を取られるので、実務面での引継ぎはかなり効率的に行う必要がありました。
その際、仕事を引継ぐ側からすると、「仕事の引継ぎあるある」として、以下のようなことがあります。
- 場所が分からない
- 知識がない
- 時間がない
- 情報がない
- 意味がない
- 意欲がない
- 相談相手がいない
場所が分からない
必要な書類がどこに入っているか分からない、使えるデータがどのフォルダにあるのかハッキリしないということがよくあります。
また、仮にファイルやフォルダが特定できても、その中に入っている資料やデータの並び順がバラバラだと、かなりイライラします。
知識がない
自分がまだ経験したことのない仕事や、その仕事をするのにスキルが足りないこともよくあります。
私も秘書室や海外駐在員事務所に転勤した際は最初はかなり戸惑いました。
時間がない
転勤などであらかじめスケジュールが前もって決まっている時は良いのですが、前任者が急に病気になるなど、時間がない中で仕事を引継ぎせざるを得ないケースがあります。
ある時、クライアント先の経理担当者が急逝され、申告期限ギリギリになって決算書を締めなければならない状況がありました。その際、社長からのご依頼を受けて、急遽決算業務を弊社で代行したことがありました。
情報がない
前任者から引継ぎを受けたものの、聞いていなかった問題が後から発覚したり、時にはトラブルが発生したりすることも起こります。
引継ぎ時にはたいていペンディング事項も情報として引き継がれますが、引継いだ方は担当した以上は、聞いていない問題にも対応せざるを得ません。
意味がない
やっている仕事を引継いだけれど、そのやり方が属人的なものであったり、昔から慣習としてなんとなく続けていたりするものも少なくありません。
意欲がない
前任者の転職や異動に伴って仕事を引継ぐ場合など、人によっては心ここにあらずで、引継ぎがいい加減なケースもあります。
相談相手がいない
引継ぎ期間中は前任者にいろいろと質問できますが、引継ぎ期間が終わってしまうと、ちょっとした疑問や質問を聞ける相手が周りにいないこともあります。
このように考えてくると、仕事の引継ぎあるあるは、実は「〇〇がない」という「ないない」であることが分かります。
そして、これらの「ないない」の中には
知識がない→自ら勉強して知識を身につける
ことで、時間とともに解決できるものもあれば
場所が分からない→会社として書類やデータの保管ルールを決める
ことで予め手を打てるものもあります。
また、意味がない仕事はいったんは前任者から、そのまま引継いでも、後任の人がが
- 思い切って止める
- やり方を変える
ことが必要です。
いずれにせよ、特に中小企業の場合は、会社としての業務マニュアルなどがなく、定期的な人事ローテーションも少ないので、「仕事の内容は各担当者の頭の中だけに入っている」ことがよくあります。
しかしながら、仕事の引継ぎの観点から、日頃の仕事を見直しをすることで
- 仕事の見える化
が実現でき、ひいては
- 業務の効率化
- 社員の多機能化
にも、つながっていきます。
仕事の引継ぎに関するノウハウはいろいろと持っているので、お気軽にご相談いただければ幸いです。
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