知恵の和ノート
貴重なアドバイスを余計なお節介にしないためのコツとは?(第404話)
貴重なアドバイスを余計なお節介にするのを避けるには、相手がアドバイスを受け取れる状態かどうかを充分に考慮する。
私たちの仕事は問題を解決するために、いろいろとアドバイスすることがメインになります。
けれども、気をつけなければならないのが「ちょっとご相談があります」と言われる場合であっても、「相手は必ずしもアドバイスを求めている訳ではない」ということです。
時には
・自分の考えが正しいことを再確認したい
・自分の現状をきちんと理解してほしい
といったこともあります。
このような場合、良かれと思ってアドバイスしても「なんだかちょっと違うのだけれど」というように、満足してもらえません。
つまり、アドバイスは求められてからやるのが原則です。
仮に相手がアドバイスを本当に求めているかどうかが分からない時は「ちょっと気づいたことをお伝えしても良いですか?」と一言断りを入れてからアドバイスするのがベターです。
また、時には相手にとって耳の痛いことをアドバイスした方が良いケースもあります。その場合、そのアドバイスが正論であればあるほど、かえって反発を招くこともあります。
キャッチボールをやる時には相手が
・ミットをはめている
・ミットを構えている
状態の時に、投げることで球を受け取ってもらえます。
そこで「ちょっと厳しいことを言っても良いですか?」と一言断ってからアドバイスをした方が真意が相手に伝わりやすくなります。
さて、会社においても上司の人が部下の人にアドバイスを行うシーンはよくあるかと思います。
部下がアドバイスを直接求めてきた時は良いのですが、そうでない時に「それはこうした方が良いよ」とか、「そのやり方は間違っている」とアドバイスすることも少なくありません。
少なくとも、私はサラリーマン時代に上司の方から「ちょっと気づいたことを伝えても良いですか?」とか、「ちょっと厳しいことを言っても良いですか?」と言われてからアドバイスを受けたことはありません。
もちろん、外部のコンサルタントがアドバイスする場合と社内で上司が部下にアドバイスする場合は違うというご意見もあるかと思います。しかしながら、大切なのはアドバイスをした結果、状況が改善することです。
特に上司と部下の関係では、上司はアドバイスしたつもりでも、部下は上司からの指示として捉える傾向があります。このため、相手の成長を思ってアドバイスするのであれば、より相手に響く伝え方を選択すべきです。
いくら相手のためと思っても、先方からは「そのようなことをあなたに言われたくない」と思われることがあります。
一方、ある方との雑談の中で「自分はこう思いますが」と何気なくお伝えしたところ、「すごく元気になるアドバイスをもらいました」と大変喜んでもらったことがありました。こちらはアドバイスしたつもりはなく、単に自分の意見を言っただけだったのですが、先方は良きアドバイスとして感じた模様です。
この事例のように、別にそれほど深く考えていない発言でも「すごく参考になりました」と言われることもあります。
つまり、こちらの意図や真意に関わりなく、相手にとって、良きアドバイスになることもあれば、余計なお節介になることもあるということです。
したがって、少なくともアドバイスをする際には「求められてからアドバイスする」のは大原則であり、「相手がミットを構えてからボールを投げるよう、ちょっとした配慮を行う」ことが大事です。
リモートワークの浸透もあり、上司が部下と直接話をする機会は以前よりも減っています。このため、アドバイスをする際にも、今まで以上に配慮することが求められています。ご参考になれば嬉しく思います。
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