知恵の和ノート
仕事のボトルネックから目を背けず、前倒しで変革に取り組む(第403話)
仕事のボトルネックに目を背けて、その解消を先延ばしすると、最悪の場合、会社の倒産につながるという危機意識を持って変革に取り組む。
「俺たち中小のデジタル道」
ビジネスモデルの限界を超え、会社や市場を変える!
これは「日経トップリーダー」2019年12月号の特集のタイトル。
今から約2年前、まだ一連のコロナ禍が始まる前の段階で、DXに取り組んでいる中小企業の事例がいろいろと掲載されていました。
ちょっと調べたい内容があり、2年前の雑誌を読み返したところ、私が今年直接お話をお聞きする機会のあった飲食店さんや不動産会社さんの記事もありました。
楠木建さんは「逆・タイムマシン経営論」の中で「近過去の歴史を検証すれば、変わらない本質が浮かび上がる」とおっしゃっておられますが、「いま毎日のように目にするDXについても、やっている企業はかなり前から取り組んでいる」訳です。
経済産業省が「DX推進ガイドライン」を出したのが2018年12月。しかし、中小企業であっても、危機感を抱いた先はガイドラインが出る前から、デジタル化を含めた変革に取り組んでいる先が少なからずあります。
ワクチン接種など国のガイドラインが出ないと、具体的な実務が進まない仕事もあります。
しかしながら、こと企業の行動に関する限りは「国のガイドラインが出るのを待っているようでは遅い」というのが変わらない本質です。
そして、これをさらに深掘りしていくと、「社員が社長の指示を待っているようでは遅い」ということになります。
実はこの点に関しては私自身、たいへん苦い経験があります。
前職のベンチャー企業の時、GPSの専門分野に関する知識やノウハウの点で、社長と社員との間で大きなギャップがありました。
このため、お取引先との技術的な話になると、我々社員は社長の指示を待たざるを得ない状況が何回かあったのです。
特に社長が「より正確な情報をしっかり伝えたい」という意向が強かったので、商談が進んで、より細かい情報提供が必要になった際
社長からの回答を待つ
↓
社長が多忙なため、なかなか回答がもらえない
↓
商談が前に進まない
↓
売上が上がるのが遅くなる
↓
資金繰りがだんだん厳しくなる
という流れになってしまいました。
仕事を回していく際には何かしらボトルネックがあります。
DXに関して言えば、「社内にITやシステムに詳しい人材がいない」といったこともボトルネックになるかもしれません。
けれども、積極的にDXを推進している会社では「危機感>ボトルネック」という認識の下、ガイドラインがない状況でも、自分たちで創意工夫しながら、改革に取り組んでおられます。
前職の時、毎日朝早くから夜遅くまで頑張って仕事をしていたので、「まぁ、そのうちなんとかなるだろう」という楽観的な考え方が私の中にありました。つまり、「危機感<ボトルネック」だったのです。
しかしながら、そのような一社員の甘い考えは通用しないことを肌身を持って感じさせられました。
人は痛い目にあって初めて、今までの考え方が甘かったと自覚することが少なくありません。けれども、本格的な改革に取り組めるのは、まだ何かしらの余裕がある時期しかありません。
前職の時も、いま冷静に振り返ると、「あの時、あれをやっていれば」と思うことがいくつかあります。
2021年も残り1ヵ月強。
2022年に今の現状に満足せず、少しでも変化を起こしたいなら、今日から
仕事のボトルネックを見つける
↓
ボトルネックを解消するために何か一つでも変える
ことを意識して行動しましょう。
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