知恵の和ノート
いざという時、逃走するのではなく、闘争する組織作りに向けて必要なこと(第395話)
闘争か逃走かという究極の選択を危機的状況で活かすには日頃からの仕掛けがポイントになる。
人の脳には基本的に二つの「トウソウ」の機能が備わっています。
- 闘争
- 逃走
人も動物なので、自分より弱いものとは戦い、自分よりも強いものからは逃げるという訳です。
戦い方の一つに「背水の陣」というのがあります。
これは後ろに川などがあって逃げ道がない場所に陣をひくことで、
逃走という選択肢を捨てる
↓
必死に闘争することで活路を見い出す
戦法です。
しかしながら、いつも背水の陣をひいての戦いを続けていると、戦力は疲弊します。そのうち、溺れる危険があっても、川を渡って逃走する人が出てくるかもしれません。
そして、闘争か逃走かを求められる局面はいわば身の危険が迫っている状態。このため、このような究極の選択を迫られるシーンは実際には限られています。
さて、会社経営においても「いかにして闘争することで活路を見い出すか」が一つの鍵になります。
例えば、新規事業。
何か新しいことをやろうとすると
・面倒くさい
・余計な仕事が増える
・失敗するかもしれない
ために、「闘争=困難があっても前に向かって進む」のではなく、「逃走=現状を維持して取り組まない」ケースに陥ることが少なくありません。
会社が切羽詰まった状況であれば、「この新規事業をやらないとダメだ」と考える社員も多いかもしれません。
けれども、経営者は危機感を感じていても、社員とその危機意識が共有されていない時、経営者がいくら「この新規事業をやらないとダメだ」と言っても、なかなか社員の心には響きません。
このため、迫りくる危機に向けて、逃走から闘争に意識を変えてもらうには仕掛けが必要です。そのためには逃走に陥る要素を減らすことがポイントになります。
失敗したらすぐに責任を取らせるという組織風土であれば、
新しいことに挑戦するのはリスクが大きい
↓
挑戦しない方が安全だ
となります。
また、指示は出すけれど、一定の権限を与えなければ
戦うための武器がないので危険だ
↓
権限のある人に依存した方が楽だ
となって、一歩を踏み出せません。
経営者とお話していると「ウチの社員は自分から仕事に取り組もうとしない」というご不満を時々お聞きします。
つまり、「逃走してばかりだ」という訳です。
しかしながら、脳の機能からすると、「現状維持を基本として新しいことに取り組まないのは、ある意味仕方がないこと。
経営者としては「闘争=困難があっても前に向かって進む」社員を一人でも多く増やすために、日頃からいかにして仕掛けを続けるかが大切です。
会社が本当に危機的な状態になった時、多くの社員は逃走(離職)します。その時、残った社員が他に行く所がなくて立ちすくんでいる人ばかりだと、乗り切れる危機も乗り越えられなくなります。
皆さんの会社ではいざという時、逃走しないで、闘争する社員は何人ぐらいおられるでしょうか?
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