知恵の和ノート
1on1を始める際、スキルを磨く前に必ずチェックしておきたいこと(第393話)
流行りの仕組みを始める前には本来の目的を明確にすることが大切。
最近よく目にする言葉に「1on1(One on One)ミーティング」があります。
上司と部下が行う1対1の対話のことです。
弊社のクライアントさんにお伺いしても
・社長が社員と1対1で面談する
・部長が部下と1対1で話をする
ということをやっておられるところがあります。
従来から、上司と部下が行う1対1の対話を実践されている会社も多いのではないでしょうか。
1on1の本来の目的は部下の成長を促進することと言われています。
つまり
・人事評価のための1対1の面談
・仕事の進捗管理のための1対1の面談
は1on1ではないのです。
和を以て貴しとなす国である日本の場合、従来は上司と部下との関係もあうんの呼吸でやってきたところがあります。つまり、部下は上司の意図を忖度して動くことで仕事を回してきたという訳です。
したがって、部下の成長を促すことが、上司の仕事の一つだとして1on1に取り組んでも、なかなか思ったような成果が出ないケースも少なくありません。
特に上下関係がある中で、「コーチングのスキルがない」「部下の考えや感情に関心がない」上司もいる中、他社のモノマネで1on1を形式的に始めても、上手くいきません。
その際、まず社内で共有しなければならないのは「1on1の目的」です。
先ほど、1on1の本来の目的は部下の成長を促進することと書きましたが、これではまだ曖昧です。会社の仕事として取り組む以上、1on1の目的は「会社の経営理念に沿って部下の成長を促進すること」でなければなりません。
この点、中には勘違いしている人がいて、「部下の不満を聞く」「部下の言い訳を聞く」ことで、部下のやる気を引き出すことが大事だと考えている場合があります。
もちろん、相手に上手く話をさせることで、本音を引き出すことは大切です。
しかしながら、あくまで社員は
会社の経営理念に沿って仕事をする
↓
仕事を通して成長する
ことが本来の姿。
やることをやらずに自分の好き勝手に仕事をするのであれば、それはハッキリと違うということを理解させる必要があります。この点、部下の話を聞いて、いわゆるガス抜きをすることが1対1で対話する際の目的になっているケースが少なくありません。
したがって、もしこれから1on1を始めるのであれば
- 会社の経営理念は社内に浸透しているか
- 経営理念に沿って社員が成長する姿を言語化できているか
をチェックしましょう。
せっかくコーチングやコミュニケーションなどのスキルを磨いても、土台の部分がグラグラだと成果につながりません。本来の目的がお互いに認識できていないと、上手くいかないのは1on1も同じです。
なお、1on1の導入をご検討されているなら、「プレ・社外チームミーティング」でお話させていただければ幸いです。
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