知恵の和ノート
「努力が報われるとは限らない」という努力家は不都合な現実と向き合う(第390話)
仕事の場合、努力する方向性ややり方が違うと努力は必ずしも報われる訳ではないことを自覚する
・テレビゲーム…26%
・楽器…21%
・スポーツ…18%
・教育…4%
・知的専門職…1%以下
これはプリンストン大学のマクナマラ准教授他のグループが「練習量の多少によってパフォーマンスの差を説明できる度合」について研究した際の数字です。(「ニュータイプの時代」(ダイヤモンド社)参照)
つまり、音楽やスポーツの分野では「努力は報われる」という原則はある程度当てはまるけれど、会社の仕事など知的専門職の分野は「努力は必ずしも報われる訳ではない」という研究結果です。
皆さんはこの結果をどのように感じたでしょうか?
オリンピックを見て、やはり「努力は報われる」と感じて、「さらに努力しよう」と決意を新たにされた人もおられるかと思います。
一方、「努力は報われる」というのは必ずしもすべての領域に当てはまる訳ではないと認識することは、けっして損にはなりません。
周りを見ていて「アイツより自分の方が頑張っているのに、なぜ、アイツの方が儲かっているのだろう?」と思ったことはないでしょうか?
私はあります(笑)!
この場合、「努力は報われる」という教えを忠実に守ろうとすると、「もっと頑張らないとダメだ」とさらに努力を重ねます。
けれども、仕事の場合、努力の方向性や努力するやり方が間違っていると、努力は報われないことが多いのです。
例えば、自分の見込み客になる人がFacebookをほとんど使っていないのに
・毎日Facebookに投稿する
・お金をかけてFacebook広告を出す
という努力を重ねても、売上を上げるという成果にはつながりません。
この場合、ビジネスで成功している人が「これからはFacebookをやらないとダメだ」といくら主張しても、その教え通りに努力することは「努力する場所が間違っている」ことになります。
弊社にご相談に来られる方は、人一倍努力を重ねている、まじめな人がほとんど。
この場合、単に努力する場所が間違っているケースは「努力する場所を変える」ことで問題解決につながります。
また、「努力する順番が間違っている」ケースもあります。
例えば、「ホームページを充実させないとダメだ」と考えて、お金をかけて立派なホームページを製作している場合。
もちろん、ホームページはあった方がベターですが、「ホームページで何をしたいのか」という目的を決めないまま、業者の言いなりで作ってしまうと、見た目も綺麗で立派なホームページはできたけれど、肝心の問い合わせが全然来ない状況に陥ります。
独立研究者の山口周さんはが先の本の中で「努力は報われるという命題はミスリーディング」と書かれています。
普段人一倍頑張っている努力家の人にとっては、自分を否定されているようで素直には受け入れがたい意見かもしれません。
しかしながら、「自分は努力を重ねているのに、思ったような成果を手にできていない」と日頃感じておられるなら、さらに努力を重ねる前に「いまの努力は本当に報われるのだろうか?」とちょっと立ち止まって考えることで、現状を大きく変えられる可能性があります。
なお、一生懸命頑張っているのに、満足のいく結果が得られていない場合、感情と思考のねじれが原因ということもあります。気になった方は一度弊社まで「お問い合わせ」いただければと思います。
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