知恵の和ノート
二代目社長が抱えているお悩みを解消する方法(第386話)
先代社長を無理やり変えようとするのではなく、自分の捉え方と行動を変えることで、先代との対立を減らす
- 変化する市場への対応
- 部下とのあつれき
- 先代との対立
ご自身が二代目社長としてご活躍されている経営者がその著書の中で、「多くの二代目社長が抱えている創業者である先代社長にはない悩み」として挙げられています。(「デキる二代目社長は知っている事業承継5つの鉄則」参照)
特に先代社長が会長や顧問として会社におられる場合、「先代との対立」は悩ましい問題です。
最近我々はセッションの中で「自分がリーダーシップを発揮できるポジション」を4つのパターンに分けてお話しています。
- 先頭型
- 中心型
- 後方型
- 舞台下型
創業者の場合、会社の設立当初は「先頭型」として、自ら先頭に立って会社を引っ張っていくタイプがほとんどです。
会社が大きくなっても、引続き先頭型で頑張る人もおられますが、中には、自分を中心に仕事が回るようにする「中心型」や、社員に任せて自分は後ろで見守る「後方型」に変わっていく人もおられます。また、中には自らはアイデアやビジネスモデルなど方向性だけを示して複数のビジネスを同時に進める「舞台下型」の人もおられます。
このような4つのタイプはそれぞれ一長一短があるため、どれが一番良くて、どれがダメということはありません。また、同じ人でも、状況や役職が変わると、果たすべき役割が違うということがあります。
そして、ポイントは「自分がリーダーシップを発揮できるポジションを他の人に対して無意識のうちに強要してしまう」人が多いということです。
二代目社長が抱える先代との対立の要因の一つは、「ポジションにおける認識の違い」から生まれていると私は考えています。
例えば、先代社長が「社長たるものは社員の先頭に立って働くべきだ」と考えているのに、二代目社長が「後方で社員を見守る形で会社を成長させたいと思っていたとします。
すると、先代社長から見た時、自分が思い描く役割を後継者が果たしていないように感じられ、「お前は社長として頼りない!」と怒鳴ったり、批判したりする可能性があります。
人は一人ひとり個性が違うので、力を発揮できるポジションも異なります。けれども、理屈では分かっても、感情的には納得できないのが難しいところです。
弊社では二代目社長をサポートさせていただくケースが多いため、お伝えしているのは「役割として果たすべきポジションと意識すべきポジションを分けて考えましょう」ということです。
残念ながら、昭和のオジサンやオバサンである先代社長の考え方を変えるのは簡単ではありません。
そこで、例えば、「先代が期待しているのは『先頭型』での役割だ」ということを意識した上で、「自分は『後方型』の方が一番力を発揮できるので、『先頭型』の役割を担いつつ、『後方型』として実践できることは何だろうか?」と考えて行動に移すという感じです。
「敵を知り己を知れば百戦危うからず」ではありませんが、
- 先代社長の期待するポジション
- 自分が力を発揮できるポジション
の両方が分かっていれば、やりようはいくらでもあります。
二代目社長は先代社長と違う悩みを抱えています。
けれども、先代が苦労しながら築き上げた資産があるのは、今の時代には圧倒的な優位です。なぜなら、ゼロからイチを作りだすのが難しい中、今ある事業を改善し、進化させるのはキャッシュフローの点から考えても選択肢が複数あるからです。
先代との対立でお悩みの方は「先代は変わらないという前提で、自分の捉え方を変えて行動を変える」ことで、先代との対立を先代との対話へと進化させることができます。
ヒーズでは、弊社の日頃の活動内容や基本的な考え方をご理解いただくために、専門コラム「知恵の和ノート」を毎週1回更新しており、その内容等を無料メールマガジンとして、お届けしています。
上記のフォームにご登録いただければ、最新発行分より弊社のメールマガジンをお送りさせていただきます。お気軽にご登録いただければ幸いです。