知恵の和ノート
会社の限界を突破するために求められる「経営者の器」の具体的な中味とは?(第385話)
会社の限界を突破するには、経営者が腹を据えて社員の限界突破に力を入れる
社員の限界が会社の限界。
先日お話をお伺いしたワークマンの土屋専務がおっしゃっていた言葉です。
「経営者の器以上に会社は大きくならない」とよく言われます。
けれども、カリスマ経営者がトップとして会社を引っ張っていく場合でも、社員が働かないと会社もよくなりません。
また弊社のように少人数でやっている会社の場合でも
- 社員が社長の指示通りにだけ行動する
- 社員が自立的に考えて行動する
場合を比べると、後者の方が業績も上がります。
一方、社員は考え方もレベル感も様々であるため、「社員の行動の質&量を上げるのが大切だ」と頭では分かっていても、「実際に会社がそのために力を入れられるのか」という段階になると、難しいのが現実です。
このため、土屋専務も「社員の成長を待つ」のがポイントである旨指摘されていました。
では
社員が自分の限界を突破する
↓
会社が今の限界を突破する
ために何が必要となるのでしょうか?
まずは事業を続けていくための「お金と時間」です。
今月末の資金繰りが心配な場合には何よりもまず資金繰りを確保することが肝要です。また、当面の資金繰りに問題がなければ、社員の成長を待つための時間的な余裕も生まれます。
つまり、ビジネスモデルとして稼げる仕組みがあることが前提条件となります。
一方、仮に現時点で、稼げるビジネスモデルが確立できているとしても、今は消費者の嗜好の変化も大きいので、稼げる仕組みを常に改善していくことが求められます。
その際
- 経営者一人が考えて仕組みを改善する
- 複数の社員も加わって仕組みを改善する
のとでは、ビジネスモデルの厚みが違います。
この時、求められるのが「経営者の心の余裕」です。
社員に任せられる度量があるのか。言い換えれば、「自分と違うやり方や自分とは異なる価値観を受け入れられるかどうか」が鍵を握っています。
先日もある会合で、初音ミクのことが話題になりました。その会合に参加されていたメンバーは私と同世代の方が多かったので、「初音ミクの何が良いのかがよく分からん???」というご意見が大半でした(笑)。
人は自分が理解できないものや、よく分からないものを否定したり、批判したりします。また、初音ミクに熱中するような人たちは自社のお客さんにはならないかもしれません。
けれども「一定の人たちの間で人気がある」「熱中する人たちが生み出す市場がある」際には、新たなビジネスチャンスにつながる可能性があります。その場合、自分は理解できない異質のものでも社員を通して会社の中で活かすことができたら、会社は限界を超えられます。
理想は、ワークマンのように
稼げるビジネスモデルが確立できている
↓
社員の成長を待つ余裕がある
↓
稼げるビジネスモデルをさらに進化させられる
です。
中小企業の場合、そこまで行くのはなかなか難しいかもしれません。
しかしながら、今日明日の資金繰りを心配する状況でないのであれば、思い切って「社員が自分の限界を突破することに一定のリソースを割く」のも戦略としてありです。
そこは経営者の心の余裕次第ですが、逆に言えば、経営者が覚悟を決めれば今日からもすぐに実行できます。
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