知恵の和ノート
新しい問題解決法は魔法の杖ではないという自覚を持って取捨選択する(第383話)
流行りの最新のものに取り組む際には、自社にとって必要か必要でないかを主体的に判断する
何か新しい問題解決法が出てくるとやはり気になるものですね。
特に勉強好きでまじめな人ほど、率先して新しいものに取り組む傾向が強いように感じます。
最近で言えば、「DX(デジタルトランスフォーメーション)」ですべての問題が解決しそうな勢いです。
弊社でも「勘と経験と度胸に基づく経営」から、「仮説と検証とデータに基づく経営」への変革を推奨しています。このため、データに基づく経営に取り組むことには大賛成です。
しかしながら、訳の分からないまま、システム会社に丸投げしてDXを進めてしまうと、最新のシステムは導入したけれど、結局使えないものになってしまいます。
システムを導入するにはお金がかかります。
このため、お金をかけることで、新たに
- 生まれる売上
- 減らせるコスト
を予め想定しておく必要があります。
今までエクセルで計算していたものがシステム化で自動集計されるようになれば、その分の時間が浮いてきます。その空いた時間で、例えば見込み客を丁寧にフォローアップする仕事に取り組めば、新たな売上につながる可能性があります。
「システム導入→業務効率化→コスト削減」は比較的分かりやすい流れです。けれども、システム導入によるコスト削減だけでは、システム化に伴う初期費用やランニングコストをカバーできるとは限りません。
大企業の場合なら、大幅な人件費削減につながる可能性もあります。しかしながら、中小企業ではもともと一人で複数の役割を担っているため、システム導入が即人件費削減にはつながらないように感じます。
このため、「減らせるコストだけでなく、生まれる売上は何なのか」を会社が見定めておくことがポイントになります。
そして、あるシステム導入によって、どのようなコスト削減になるのかは、会社による違いはあまりなくても「どのような売上につなげていくのか」は、会社によって大きく異なります。
ちなみに、経済産業省が定義するDXとは
「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」
です。
したがって、会社によっては
手間ひまかけていた業務をDX化
↓
業務は効率化されたが、差別化要因がなくなりかえって収益が悪化する
という状況だってあり得るのです。
私が申し上げたいのは「新しいものを導入する際も、主役は自分である」ということです。
- 皆がやっているからなんとなくやる
- 「これをやらないと、時代に乗り遅れますよ」と言われたから取り組む
のではなく
- 自分にとって必要ならやる
- 自分にとって必要でないならやらない
と主体的に判断することがますます大切になってきます。
もし、「新しいものを周りの人がやり始めると、ついつい焦って手を出してしまう」という自覚がある人は「自分の判断基準を言語化できていない」可能性があります。その際には「こちら」が参考になります。
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