知恵の和ノート
スキルや資格の習得に力を入れても社員の成長が感じられない時の対処法(第382話)
社員教育ではスキルや資格の習得だけでなく、考える力を身につけてもらうことを意識する
社員教育には大きく分けて2種類あります。
一つは仕事で求められるスキルを学んだり、資格を取得したりするための教育です。
スキルやノウハウに関してはOJTで学ぶ、社内で評価基準を決めてレベルアップするなど、いろいろやり方はあります。資格に関しては、最終的には本人の頑張り次第ですが、社内で勉強会を開いたり、会社で補助を出したりしているケースがあります。
一方で、社員に考える力を身につけさせたり、チーム力をアップしたりという教育もあります。
経済産業省では社会人基礎力として
- 前に踏み出す力(アクション)
- 考え抜く力(シンキング)
- チームで働く力(チームワーク)
を掲げていますが、まさに仕事の基盤になる部分です。
前者のスキルや資格がアプリだとすれば、後者の社会人基礎力はOSに相当します。
パソコンではOSに不具合があるとアプリが動きません。
同じように社員教育においても、スキルや資格の教育に力をいる割には期待していたほどの効果が出ていない場合、「OSに相当する社会人基礎力の教育のやり方を見直す」ことで効果があります。
先日お話をお伺いしたある和菓子メーカーさんでは、考える力を社員に身につけてもらうことに力を入れておられます。
例えば、直営店舗の社員に対して、「『いらっしゃいませ』や『ありがとうございました』と言わずに、お客さんに感謝を示すには?」という問いを投げかけています。
マニュアルを作って、マニュアル通りに「いらっしゃいませ」「ありがとうございました」と言うのであれば、小学生でもできます。けれども、マニュアル通りの対応がお客さんの心に響かないのは誰しも経験しているところです。
一方で、そのような言葉を言わずにお客さんに感謝の気持ちを伝えようとすれば、一筋縄ではいきません。
まさに
自分の頭で考える
↓
考えたことを実際に行動に移す
↓
反応を見て検証する
↓
改善点を考えて再度やってみる
ことを地道に繰り返す必要があります。
弊社ではクライアントさんに対して、「自分の価値を言葉にする」ことを常に考えてもらっています。
「価値」とお伝えすると、「あぁ、『強み』のことですね」と自分の強みや長所を言葉にする人もいます。
しかしながら、我々の言っている「価値」とは
- 自分がやりたいこと
- 自分ができること
- 誰かの役に立つこと
という3つの要素を備えているものです。
自分がやりたくて、かつ、できることならば、すぐに頭に浮かぶかもしれません。
けれども、それが「誰かの役に立つのか?」言い換えると、そのことに対して「誰かがお金を払ってくれるか?」となれば、すぐには思いつくとは限りません。
これからはスキルや資格など、アプリの部分だけでは差をつけるのが難しくなります。一方、考える力などOSに相当する部分は日々鍛えている人とそうでない人では、ますます大きな差が生まれてきます。
考える力を身につけさせるには「どのような問いをするのか」が鍵を握っています。
和菓子屋メーカーさんの事例や弊社がクライアントさんに出している課題なども参考にしながら、「社員に対してどのような問いをすれば、考える力が身につくのか?」をぜひ検討していただければと思います。
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