知恵の和ノート
商品名だけでなく、社内で使うツールや仕組みの名前にも気を配る(第374話)
同じ事実に対しても人によって認識する言葉が異なることを念頭に、社内に向けた言葉にも気を配る
「岩井さんはネーミングが好きなんですか?」
あるセッションの際、クライアントさんが新たに始める社内向け企画について、「これに名前をつけましょう」とお話した際に、そう質問されました。
あまり人気のなかった商品をネーミングを変えたことで、一気に人気商品になったことがありました。だからと言ってネーミングが好きという訳ではありません。
より正確に言うと、「言葉によって伝わり方が違う」ことに対しては、すごく興味を持っています。
我々人間は事実を言葉を通して認識しています。そして、同じ事実に対しても、人によって認識する言葉が異なります。
よく挙げられる事例として、「コップに水が半分入っている状態」が使われます。
Aさんは「水が半分しか入っていない」と認識するのに対し、Bさんは「水は半分も入っている」と認識するというケースです。
明日でGWの休暇も終わりという方も多いかと思いますが、「あと1日しか休みがない」と考える人もいれば、「あと1日ある休みをどう使おうか」と考える人もいます。
このように人によって事実を認識する言葉が違うので、商品名やサービス名だけでなく
- 会議や打ち合わせの名前
- 使うツールや帳票の名前
なども、ネーミングで工夫することで、感情や思考に与える影響が変わってきます。
例えば「始末書」。
一般的には何か失敗やミスを犯した際に、事実関係、原因分析や今後の対策などを書きます。このため、その内容の中には今後の業務改善につながる要素がたくさん盛り込まれています。
しかしながら、「始末書」と言ってしまうと、本人の反省文的な意味合いが大きいために
- 社員もいやいやながら仕方なく書く
- 会社も懲罰の資料として使い、業務改善につなげない
といった傾向がどうしても強くなります。
このため、あるクライアントさんでは「始末書」という言葉を使わずに、別の名前をつけて、業務改善に活かす工夫をされています。
商品名やサービス名の場合は、売れる、売れないという形でハッキリと結果が分かります。このため、売れなければ、ネーミングを変えて、再度販売するということも、よく行われています。
一方で、社内向けに使う言葉の場合。その言葉の影響はじわじわと出てくるので、しばらくしてから、本来やろうとしていた目的からずれていることに気づくことがあります。
人は言葉によって躾けられます。
そして、一つの言葉が当初の意味合いから乖離して、人の可能性を小さくしていることもあります。
特に複数の人に向けて発する言葉については、同じ事実に対しても人によって認識する言葉が異なることを念頭に置いて言葉を的確に定義しましょう。
なお、いろいろと学んでいるが、自分が満足できる結果が出ていない場合、流行りのノウハウに飛びつく前に、たった2つの言葉を自覚することで、結果は大きく変わります。
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自分が最も力を発揮できる姿を認識するための6ステップ
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