知恵の和ノート
中小企業がジョブ型雇用を導入する前に取り組むべきこと(第371話)
仕事の棚卸しに伴って社員のスキルを磨くと共に想定外に対応できる思考力を鍛える
先日、所属している協会が主催する「ジョブ型雇用と中小企業」に関する勉強会に参加しました。
大企業ではメンバーシップ型からジョブ型へ切り替える動きも出ています。けれども、中小企業では本格的にジョブ型雇用を導入している所はまだ少ないように感じます。
いわゆるジョブ型を導入するにはすべての仕事の棚卸しを上で
- 任せる仕事の内容
- 求められる仕事のレベル
を定義できていることが前提となります。しかしながら、そもそも現実問題として、すべての仕事の棚卸しすることは無理です。
私は2社目の時、総務部にいましたが、「その他所管が決まっていない仕事」はすべて総務部がやることになっていたので、結果的にいろいろな仕事をやることになりました。
実際に仕事を行う社員の方からすると、「あなたの仕事はAとBです」と決まっていて、AとB以外の仕事に関しては「それは私の仕事ではありません」と言えた方が楽です。けれども、仕事を行っている際には、A′やB′のような仕事もあれば、新たにCといった仕事が生まれてきます。
このため、仮に現時点における仕事を棚卸しして、各社員の役割分担を決めたとしても、会社全体として見ると、仕事がスムーズに流れるとは限らないのです。
先の勉強会のディスカッションの中で私の方からは
- 野球型
- サッカー型
の話をさせていただきました。
どちらの球技も一応ポジションが決まっています。けれども、常にボールが動いているサッカーの方がポジションはより流動的です。
相手が強豪チームの場合はFWも後ろの方に下がって守備を強化します。一方、コーナーキックのチャンスを得て得点できる可能性がある時はDFの選手も前線に上がってゴールを狙います。
ポジション毎に守備範囲がほぼ決まっている野球は日本人は比較的得意です。しかしながら、ポジションやシステムが一応決まっていても、試合の流れに応じて、よりダイナミックに位置取りや役割を変えるサッカーは世界の方が日本より数段進んでいます。
このようなサッカー型で仕事を行うには、仕事に関する個々の社員のレベルアップと共に、状況の変化に対して柔軟に考える思考力が求められます。
先の勉強会でも「単にジョブ型雇用という言葉に踊らされて安易に導入すると失敗するのでは」という意見が大半でした。一方で、仕事の内容や求められるレベルをうやむやにしたまま、社員の力量に任せるだけでは長期的には上手くいきません。
現在の仕事の棚卸し
↓
各仕事の内容と求められるレベルの定義
↓
各社員の役割分担を決めて、社員の力量をレベルアップする
と共に、想定外の状況に対応する思考力を鍛えることは不可欠です。
なお、弊社では
- 自己認識力を高める
- メタ認知力を鍛える
ことに重点を置いた人材育成に取り組んでいます。
↓ ↓ ↓
「自己認識」から始める人材育成
社員教育に力を入れた方が良いのは頭では分かっているが、
自分が社員を教えている時間がない
社内に社員教育できる人材がいない
今までも社員研修をやったが、思ったほど成果が出ていない
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