知恵の和ノート
多様性を活かすには対話を通して異なる意見を磨き上げる(第369話)
対話の目的は相手の意見を打ち負かすことでなく、自分の意見に磨きをかけることあり
「日本人は会話は好きだけど対話は苦手」
金八先生こと武田鉄矢さんがコメンテーターとして出演されていた番組で言っておられました。
ここでの定義は
- 会話:気の合った人たちの間で行う話し合い
- 対話:必ずしも気の合うとは限らない人たちの間で行う話し合い
です。
人が複数いれば、それぞれ考え方も感じ方も異なります。多様性を活かすという観点では、違う考えや意見を持つ人たちが対話を通して、新たな価値を生み出すことに意義があります。
けれども、対話の中に対決の「対」が入っているためなのか
- 自分が正しいことを主張し続ける
- 自分とは異なる意見を真っ向から否定する
- 相手の考え方の矛盾をついてやり込める
のが対話だと考えている人もいます。
特に最近はネットによる悪影響もあって「自分と異なる意見を徹底的に批判する」傾向が強まっているように感じます。
誰しも「自分はこれが正しい」と思っていることを否定されると良い気はしません。特にその否定が理屈が通っているものならまだしも、論点をすり替えて否定する主張であったり、権力を傘にした一方的な物言いだったりすると、なおさらです。
また、会社では社内の上下関係があるため、「上司-部下」の間で話し合う際には、「ざっくばらんに意見を戦わせて、新しいコンセプトを見つける」というよりは、「上司が一応部下の意見を踏まえて、既定路線に沿ってコンセプトをまとめる」ことになりがちです。
対話がきちんと成立するには、その話し合いに参加する人たちの間で、「たとえ自分と意見が違っても、その意見を一つの意見として尊重する」というのが前提条件になります。
一方、多くの日本人は「親や先生の言うことはちゃんと聞きなさい」「周りの人たちとは仲良くしなさい」としつけられているので、「皆が反対する中で、自分の意見を堂々と述べる」ことは苦手な人が多いかもしれません。
今や何が正しいかを判断するのは難しくなっています。
先日ディズニーランドが"Ladies and Gentlemen,Boys and Girls"と呼びかけるのを止める旨、報道されていました。そこに差別的な意図はないにせよ、差別と捉えかねないという懸念から防御策として呼びかける言葉を変える模様です。
しかしながら、発信する側に意図がなくても、知らないうちに相手を傷つけていることはあります。
その際、大切なのは
- 発信する側がきちんと説明をつくすこと
- 受信する側も相手の意図に思いを馳せること
です。
意見や考えが違うのは当たり前。違うことで相手を非難する資格はないし、違うことでむやみに悩む必要もありません。異なることを前提にそれぞれが1人の人間として、自分の考えや意見に磨きをかけましょう。対話はそのためにあります。
ちなみに、同じ番組で、武田鉄矢さんは男女平等の問題に関連して、「自分は男性優位を感じたことない」と発言されて、ちょっと物議を呼んでいました。
男女平等に関しても、人の意見は様々ですが、少なくとも、私は「日本では女性の力を会社の業績アップに上手く活かし切れていないことが多い」と感じています。
その解決方法の一つとして、ガイドブック「自己認識から始める人材育成」(全40ページ)を書きました。
(目次)
1.はじめに
2.25年前から日本は後進国
3.本人も会社もその価値を活かし切れていない
4.解決するには3つの自覚が必要不可欠
5.自己認識から始めるアプローチ
6.形式だけではダメで実質が伴ってこそ(弊社の事例)
7.蒔かぬ種は生えぬ
8.お問い合わせ先
女性社員の人材育成に焦点を当てた内容になっております。
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