知恵の和ノート
埋没する価値はむやみに謙遜せず、自覚して磨き続ける(第365話)
価値あるものを「たいしたことない」と自分で過小評価するのは価値を埋没させる罪
4月から新しく始めるサービスの参考とするため、何人かの方にインタビューへの協力をお願いしました。
すると、最初に「私なんかはお役に立てないかもしれません」という反応が予想以上に多かったので、少し驚きました。
もちろん、こちらの依頼の仕方が悪くて、少し勘違いを生んでしまった恐れはあります。しかしながら、我々から見ると、「すごく頑張っておられるのになぁ」と感じるのに、「ご本人がその価値を自覚していない」ケースが思ったよりも多かったのです。
例えば、長年一つの会社で働いていると、本人が日々やっていることは、ごくごく当たり前のことになります。けれども、ご本人が「こんなこと、別に大したことではありません」ということでも、他の会社から見れば「すごいことじゃないですか!」ということがあります。
先日もご自身で試行錯誤を重ねながら、拠点や社員数を増やし、今期の決算では年商1億円の大台に乗る見込みの社長さんとお話をする機会がありました。
私からは「すごいじゃないですか!」と申し上げたのですが、ご本人からは「まだ人の育成が追いついていない」「いつもバタバタと仕事に追われている」といったように課題をいくつも挙げられていました。
もちろん、会社の仕事には「これで満足だ」ということはありません。やればやるほど、新しい課題は出てくるし、環境の変化に応じて、予期せぬ課題も次々に生まれてきます。
しかしながら、少なくとも、自分が全力で取り組んできたことには何かしらの価値を生んでいることは間違いありません。
謙遜して、「いやいやたいしたことはないですよ」と言うのは一見すると、美徳のように見えます。けれども、実は価値あることに気づいておらず、本当にたいしたことはないと捉えていれば、それは本人にとっても、他の人にとっても大きな喪失です。
前回の専門コラムで「男性において高齢になると、自己認識を感じにくくなる」という調査結果があった旨書きました。
この自己認識には
- 内面的自己認識:自分からみた自分
- 外面的自己認識:他者からみた自分
の2種類があります。
男性の場合は比較的「内面的自己認識>外面的自己認識」であるのに対して、女性の場合は「内面的自己認識<外面的自己認識」である傾向が強いように感じます。
そして、特に男性の場合は
年を取ると外面的自己認識が低くなる
↓
結果的に自己認識を感じにくくなる
というのが私が現在考えている仮説です。
一方で、女性の場合は
仕事の面でもいろいろと制約が多い
↓
内面的自己認識は低めに抑えられている
↓
子育てなどが一段落すると、時間的にも気持ち的にも余裕ができる
↓
自分を見つめ直してその価値を再認識する
↓
年齢を重ねても自己認識が低くならない
のではないかと考えています。
いずれにせよ「これは価値がある」と自分が思っていても、他の人も「これは価値がある」と思わなければ、それは一人よがりの価値。
そして、他の人が「これは価値がある」と思っても、当の本人が「これは価値がある」と自覚しなければ、それは埋没する価値。
一人よがりの価値はスパッと捨てて、埋没する価値はぜひ自覚して磨きましょう。
なお、自分が発揮できている価値を埋没させないために、「『自分が最も力を発揮できる姿』を自己認識するためのCC(コアコンセプト)プロファイリングの体感セッション」をご活用ください。
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