知恵の和ノート
業界2位の会社が画期的な新商品の開発に成功したのは元首相の意向を無視したから?(第363話)
常識に囚われず、時間をかけて挑戦を続けてこそ新しい道が開ける
餃子のチェーン店でまず頭に思い浮かぶのは「餃子の王将」。
そして、業界第2位が「大阪王将」です。
また、冷凍餃子のトップシェアは「味の素」ですが、その分野で第2位はこれまた「大阪王将」です。
各分野で第2位の「大阪王将」ですが、他にはない特徴を持った商品があります。
最近の冷凍餃子は水要らず、油要らずで簡単に調理できるものが多いのですが、「大阪王将」の冷凍餃子は、それらに加えて「ふた要らず」で作れるのです。
先日テレビでも検証していましたが、フライパンに餃子を並べて中火で5分ほど焼くと、誰でも簡単に羽根付き餃子を作れていました。
餃子の作り手からすると、「餃子を焼く際にふたをする」のは常識です。
けれども、家で料理する人の立場からすると、「フライパンのふたを洗うのは面倒」ですし、そもそも男性の一人暮らしなどでは「フライパンのふたを持っていない」ケースもあります。
このため、できれば「ふたをしないで餃子を焼ける」のは理想ですが、実際にはふたをしていないと
- 熱が伝わりにくい
- 調理中に油がはねる
ために、技術的にかなり困難です。
大阪王将では、新商品の開発に普通3ヵ月ぐらいかけるそうですが、このふたなしで焼ける餃子の開発には
- 皮に練り込む水分量を調整する
- 油の粒子を細かくして水と混ざった際にはねないようにする
ための試行錯誤を繰り返したため、1年間ほどかかった模様です。
そして、この他社ではできない新商品を開発したのは、若手女性が中心の開発メンバーで、そのリーダーはお菓子業界という異業種出身の人でした。
元首相は「女性が会議に入ると余計な時間がかかる」という主旨の発言で内外から批判を浴びました。しかしながら、大阪王将では「女性が粘り強く時間をかけて、業界の常識に囚われずに挑戦し続けた」ことで、画期的な商品開発に成功したのです。
大阪王将では今や店舗での売上よりも冷凍食品関連の売上が大きくなっています。コロナ禍で多くの飲食店の苦戦が続く中、しっかりとした収益の柱を持っているのは大きな強みです。
既存の常識に囚われずに、時間をかけても新しい挑戦を続けていけるか。
元首相のように(?)
- 過去の常識をきちんとわきまえる
- 効率優先で無駄な時間をかけない
ことばかり重視していると、思わぬところで足をすくわれる可能性ありです。
なお、時間をかけて人一倍頑張っているのに、納得のいく結果が得られていない場合は「自分の『こだわり』の正しい活かし方」に解決のヒントがあります。
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