知恵の和ノート
変化に柔軟に対応するには、一貫性のある変わらないものを自覚するのが近道(第360話)
一貫して変わらないものを自覚できれば、変えるべきものは柔軟に変えられる
緊急事態宣言の発令を受けて、飲食店では営業時間の短縮を要請されています。このため、飲食店の中には「来店をベースとする飲食の提供から飲食のデリバリーに力を入れる」所もさらに増えているかと思います。
しかしながら、長年飲食関連の仕事をされている経営者によると、
- デリバリーによる飲食の提供はお店での飲食の提供とは業務のやり方が大きく違う
- どちらと言えば、ネットショップによる物品の販売の方が業務フローが近い
とのこと。
「注文を受けて、料理を作って、料理を届ける」という大きな業務フローは同じでも
- 注文の受け方
- 料理の作り方
- 料理の届け方
の細かい点では違うという訳です。
もちろん、デリバリーで宅配するのとお店で料理を出すのとでは、「料理の届け方」が違うのは誰しも理解しています。
けれども、そこに至るまでの過程において
- どのようなタイミングで注文が入るか
- 入った注文をどのように料理人に伝えるか
- 料理時間はどのくらいがベストか
といった所もきめ細やかに見直す必要がありそうです。
また、製造業であっても
- 下請けで商品を作る
- 自社独自の商品を作る
では、仮に同じ商品であってもやらなければならないことは違います。
下請けの場合は発注元の仕様なり要求条件という、一つの答えがあります。
一方で、自社オリジナルの場合は、たとえ自社で仕様を決めても、売れなければ商品としては不正解。このため、市場のニーズを的確に把握し、それに柔軟に対応するという点で下請けの場合よりも、ハードルが上がります。
このように、飲食業にせよ、製造業にせよ、「コアとなる商品が同じでも売り方や販売先が変わると仕事のやり方や取り組み姿勢を変える」必要があります。
ましてや、いま盛んに言われている業態転換の場合には、もっと大きな変革が求められます。
その際、仕事のやり方については
- 時間をかけて習得する
- 専用のシステムを利用する
- 業務提携して、他社に協力してもらう
など、いろいろな解決策があります。
一方、仕事の取り組み姿勢に関しては「どういう価値をお客さんに提供したいのか」が各社、各人によって違います。
そして、この部分を突き詰めていくと、「お店で料理を提供する形からデリバリーで料理を提供する形に変化」しても、「下請け専門から自社商品の製造販売業へ進化」しても、また、「今までとまったく違うビジネスを開始」しても、その会社やその人が「力を発揮できる要素は同じ」であることが分かります。
先日も、ある業界でかなり有名な方が、最近、地方創生の分野の仕事を新たに始めたというお話をお聞きしました。つまり、今までのキャリアを捨てて、ご自身にとっては未知の分野に思い切って挑戦されたのです。
私はその方を直接存じ上げません。しかしながら、知人の経営者から伺ったお話から「その人は地方創生のお仕事でも、おそらく成功されるだろう」と確信しました。なぜなら、間接的ではありますが、その方の仕事に関する一貫性が垣間見えたからです。
会社を取り巻く経済環境が大きく変わる中、好むと好まざるとに関わらず、変化することが求められます。
会社であれば
- 販売する商品や売り方や販売先を変える
- 業態そのものを変える
また、個人であれば
- 会社を変える
- 働き方を変える
といったこともあるかと思います。
しかしながら
- 商品が変わっても変わらず提供する価値
- 仕事の内容が変わっても力を発揮できる要素
はどの会社にも、どの人にもあります。
一貫して変わらないものをしっかりと言葉で自覚して、変えるものは積極的にどんどん変えていきましょう。
なお、ご自身の中で一貫して「変わらないもの」は何かをお知りになりたい方は「いまの『くすぶり感』から抜け出すための6ステップ」をクリックしてご覧ください。
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