知恵の和ノート
社員が期待通りに行動しない最大の要因を乗り越える(第358話)
令和の時代はあうんの呼吸に対する期待を捨てて、粘りの呼吸でしっかりと伝え切る
「なぜ、やらないのだろう?」
その対象が社員であれ、家族であれ、自分は「あれをやってほしい」と思っているのに、相手がやってくれないというご経験は誰しもあるかと思います。
社員に対しては「自分で考えてもっと積極的に動いてほしい」と多くの社長は感じています。指示待ちではなく、自立的に仕事に取り組んでもらいたいと期待している訳です。
では、やってほしい仕事について「これ、やって」と相手に具体的に伝えているかという点ではいかがでしょうか。
実は弊社でも、年末の打合せで、私が社員に対してやってほしい仕事について「これをやってほしい」と伝えていないことが判明しました(苦笑)。
自分としては社員の自主性を尊重する形でやんわりと伝えてきたつもりでした。しかしながら、もっと具体的に「いつまでにこれを仕上げて発表してほしい」と言っていなかったのです。
日常の仕事の中で「明日までにこれをやってくれ」と指示を出すことは皆さんも日々やっておられるかと思います。
しかしながら、もう少し中長期的に取り組む課題について
- その課題に取り組む目的
- その目的を達成するための道筋
- その道筋の途中でクリアすべき基準
- タイムスケジュール
を、しっかりと伝えているかという点ではいかがでしょうか。
長年連れ添ったご夫婦であれば「あれ、やっといて」とご主人が言えば、「ハイ、分かりました」と奥様が万事抜かりなく手配することも可能です。
また、気の利く奥様であれば「あれ、やっといて」と言われる前に、「あなた、これ」と言って、ご主人が欲しいものをさっと差し出す芸当もあるかもしれません。
しかしながら、日本人好みのこのようなあうんの呼吸はもはや昭和の遺産となりつつあります。
ましてや、会社においても、職場で一緒に仕事をするのではなく、リモートワークが増えてくると、「やってほしいことを相手にきちんと伝える」ことがますます大切になってきます。
相手が自分の期待通りに動いてくれない最大の要因は、「やってほしいことが相手に伝わっていない」ことです。
そして、この伝わったかどうかは「ハイ、分かりました」という返事をもらうだけでは不十分で、相手が行動して初めて伝わったと判断することがポイントです。
つまり、
- 一度言っても伝わらない場合は二度、三度と繰り返し伝える
ことが必要ですし、
- 相手がなかなか行動しない場合は、行動しない要因を取り除く
ことも求められます。
また、最初からあまり細かいことまで口を出すと、相手の思考が止まってしまったり、「これ、どうしましょうか?」といちいちお伺いを立てる指示待ち人間になってしまう恐れがあります。
それゆえ、
仕事の目的を明確にする
↓
目的を達成するための目標を決める(クリア基準や締め切りも同時に決める)
↓
相手の行動を見守る
↓
途中で適宜フォローアップする
↓
小さい目標から少しずつ達成する
というきめ細やかな対応が求められます。
連合艦隊の司令長官山本五十六の言葉である
「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ。」
は有名ですが、この言葉の後には
「話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば、人は育たず。」
「やっている、姿を感謝で見守って、信頼せねば、人は実らず。」
という文章が続きます。
定型的な仕事であれば、第一文の対応だけで事足ります。けれども、想像力を働かせて自立的に行動する人を育てたいのであれば、第二文や第三文のような対応が必要です。
なかなか簡単なことではありません。しかし、それゆえにこそ挑戦し続ける価値のあることなのです。
なお、自分が大切にしている価値観を自覚できると、言葉に重みが加わって説得力が増します。そして、体感セッションで入手できるオリジナルのセッションノートを後から読み返すだけでも、今後の羅針盤として、いろいろな気づきがあります。
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