知恵の和ノート
元銀行員が経営者として14年間悪戦苦闘する中で実感すること(第352話)
資金繰りを回すプロは銀行員でなく経営者
今日から12月。
新型コロナウイルスに振り回された感のある2020年も残り1ヵ月となりました。
今年の初め、私が思っていたことの一つが「年末まで頑張れば、社会人としてのキャリアの中で起業してからが一番長くなる」です。
最初に入社した銀行の在籍期間は1986年4月~2000年8月までの14年5ヵ月。
会社の設立は2006年7月なので、今年一年を無事乗り切れば14年6ヵ月となり、経営者として働いた時間が一番長くなる計算です。
銀行員時代もあっという間でしたが、独立して以降もあっという間だった気がします。
社会人になって34年以上。
この間、インターネットの普及やいろいろな技術の発達によって我々を取り巻く環境は大きく変化しました。
また、14年前起業当初にお会いしたある社長さんに「自分の仕事は本当は自宅でもできるのだけれど、家にずっといると、子供から『お父さん、仕事してないの?』と思われるから毎日事務所に来てるんだよ」と言われたことがあります。
一年前なら同じように思っておられた人もおられるかもしれませんね。しかしながら、いまは平日家にいても「リモートワークだから」で大半の人が納得する状況になりました。
このように働く環境や人の意識は大きく変わりましたが一方で、仕事を続けていくための基本の部分はほとんど変わっていないように感じます。
何といっても「お金」が回らないと、仕事を続けていくことができません。
銀行員時代は「お金」を貸すのが仕事だったので「どうやったらお金を貸せるか?」という観点から資金繰りを見ていました。一方、独立してからは主に「どうやったら売上を上げられるか?」という観点から資金繰りを見ています。
これは似て非なるもので、銀行は「最後は担保を売却すればお金を回収できる」という判断があれば、通常お金を貸します。
けれども、経営者は
借りたお金で原材料を買って商品を作る
↓
商品を売って売上金を回収する
↓
給料や家賃を払って借りたお金を返す
という一連の流れの中で「お金」を見ています。
もちろん、銀行も会社から「資金繰り表」を提出してもらいお金の流れを見ますが、あくまでそれは紙面上の計画です。
この
- 実際のビジネスの流れの中での「お金」の動き
- 資金繰り表という紙面上での「お金」の動き
は重さや深さが全然違うことを自分が起業してから痛感しています。
以前セミナーの中で申し上げたことがあるのですが、「銀行員はお金を貸すプロかもしれないが、資金繰りを回すプロではない」のです。
そして、「資金繰りを回すプロは経営者」です。
新型コロナウイルスの第3波の影響もあり、まだまだ余談を許さない状況が続きます。
私自身、最初の銀行員時代よりは自分自身が各段に成長したという実感はあります。一方、一経営者としては取り組むべき課題がまだまだ多いのも事実。まずは年末越えに向けて、より一層気を引き締めて今月の仕事に邁進していきたいと思います。
なお、幹部社員向け人材育成プログラム「考トレ」は、34年以上の私の社会人生活で実践してきた内容を
- お金
- マーケティング
- マネジメント
の観点から体系的にお伝えするプログラムです。
各社毎にアレンジする形ですぐに実務で使える知識やノウハウがギュッと凝縮されています。後継者候補を育てる新しいメソッドという観点から一度ご検討いただければ幸いです。
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