知恵の和ノート
中学受験に失敗して得られた唯一の収穫を仕事に活かす(第344話)
一見複雑に見える問題もシンプルに考えれば必ず解ける
今でこそ、中学校に進学する際、そのまま近所の公立中学校に進むのではなく、私立や国立の中学校を受験する小学生は多いかと思います。
しかしながら、私が小学6年生だった時、クラスで中学受験をしたのは私一人でした。
別に勉強好きでもなかったのですが、小学校6年生の時に父親が誰かの影響を受けたのか、無理やり塾に通わされることになりました。
毎週日曜日に塾の授業があったのですが、いやいや通っていたので、塾へ行ったふりしてサボって帰ってきたことも・・・。
周りの生徒が早い人では小学校4年生の時から進学塾に通って一生懸命勉強している中、このように不真面目な生徒が付け焼き刃で勉強しても受かるはずがありません。
私立中学校を2校受験しましたが、あえなく(予想通り?)全滅でした。
このようにまったく良い思い出がない中学受験ですが、唯一良かったと思うのが、「算数の難しさを知った」ことです。
算数の試験では
「つるとかめの頭の数が合計50で、足の数が合計156本の時、つるとかめはそれぞれいくつですか?」
といった問題が出ます。
これはいわゆる「つるかめ算」と言われる問題ですが、私はこの手の問題が大の苦手でした。
問題の解き方としては
もし、50全部がつるとすると、足の数は・・・
つるとかめでは足の数が2本違うので、・・・
というように考えていくのですが、複雑すぎてよく理解できなかったのです。
しかしながら、その後地元の公立中学校に通い、数学の授業で「方程式」なるものを教えてもらいました。要は答えを求めたいものをXとかYとか置き換えて、式を立てて答えを求めるという考え方です。
先の問題で言えば、
つる=X
かめ=Y
とすれば、
X+Y=50
2X+4Y=156
という方程式に置き換えられます。
すると、「全部がつるだったら」とか「つるとかめの足の数の差は」といったことをいちいち考えてなくても、
つる=X=22
かめ=Y=28
という答えが簡単に導き出せたです!
「中学受験であんなに苦労したことがこんなに簡単に解けるのか」と私のディープインパクトになりました。
つまり、
中学受験で算数の難しさを知る
↓
中学校で方程式を知って難しい問題も簡単に解けることを知る
という感じで、前振りからのギャップが大きいだけに、「複雑な問題もシンプルに考えれば解ける」という思いを強く抱くようになったのです。
学校の試験問題と違い、会社が直面する問題は必ずしも正解がある訳ではありません。
けれども、「一見複雑に見える問題も、構造を理解し、筋道を立てて考えることで自分なりの答えを導き出すことができる」と私は考えています。
分からないものは取りあえずXとかYとか未知なものとして抽象化し、複雑な事象を簡単な図式や表にして考えてみる。すると、そのプロセスにおいて「もしかしたら、こういうことなのかも?」というイメージ(仮説)がだんだんと浮かんできます。
少なくともそう考えられる癖が身についたことが、40数年前、いやいやながら勉強した中学受験を通して私が得られた人生における収穫です。
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