知恵の和ノート
幹部社員の教育で成果を上げるための秘策とは?(第343話)
自腹を切って自分のお金で勉強しないと身にならない
最近読んだ人材開発に関する本の中で面白いエピソードがありました。
筆者の方は20代後半に中小企業診断士の資格を取るため専門学校に通っていましたが、約50人のクラスのうち、ほとんどの人は会社からの補助を受けて費用負担なしに受講していました。
一方、その筆者の方は「自腹を切って自分のお金で勉強しないと身にならない」という家族からの教えに従って、数十万円の学費を自腹で払っていました。そして、1年後。、そのクラスの中で中小企業診断士試験に合格したのは、筆者1人だけだったそうです!
会社においても、社員の成長を期待して、いろいろな研修に行かせたり、資格取得のために費用負担していることも多いかと思います。
もちろん、それは社員のためという思いから生まれたもので、補助を受ける社員にとってもたいへんありがたい制度です。しかしながら、残念なことに、社長のやさしい思いが結果に結び付かないことがあります。
先のエピソードの中でも、専門学校の授業中、受講生の多くは机の上に突っ伏して寝ていた模様です。
学ぶことが主である学生と違って、社会人の場合は、あくまで仕事が主。仕事をちゃんとこなした上で、さらに学ぶとなると肉体的にも、気持ち的にも、かなりハードルが上がります。
このため、学ぶことに貪欲な人は別にして会社が費用面で下支えしたとしても、「まぁ、会社のお金だから」「自分の懐は痛んでないし」という形で、つい緩んでしまうのは無理からぬことです。
弊社でもある法人との契約が期限で終わった後、幹部社員のお一人から「個人的に続けてサポートしてもらえませんか」というお申し出がありました。
今までは会社と会社の契約だったので、その方の費用負担はありませんでした。しかしながら、「自分でお金を出すので、定期的にアドバイスしてほしい」というご要望があったのです。
その方は将来的に次期社長候補と言われている人。おそらく「自腹を切って自分のお金で勉強しないと身にならない」ことを肌感覚で感じ取ったのだと思われます。
特に社長の相談相手として「自分と同じ目線で話せるようになってほしい」と考えている人の場合
自分でお金を出す
↓
元を取ろうと頑張る
↓
成果につなげて元を取る
という経験を積ませることは必要です。
振り返ってみると、私自身もサラリーマン時代にいろいろと研修を受けましたが、結局今の仕事に役立っているのは自腹を切って勉強したものばかりです。
もし、社員研修にお金と時間をかけているのに思ったような成果が出ていない場合には、社員に自腹を切って学ばせることがかえって本人のためになります。
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